人生が終盤に近づくにつれ、身辺整理の一環で断捨離を考える人は少なくありません。しかしいまや100年時代。死を見据えてモノを減らすよりも、これからの人生の生き方を考えてみるのはいかがでしょうか。本記事では川村隆枝氏の著書『亡くなった人が教えてくれること 残された人は、いかにして生きるべきか』より一部抜粋・再編集して、遺品整理・終活の断捨離についての考え方を解説します。
やっぱり捨てなければよかった…親の遺品を処分して後悔する人続出。75歳の介護老人施設長が「終活なんて考えたこともない」と言い切る理由
「遺品整理」「終活」に、断捨離は必要?
最近周辺で「断捨離した!」とか「断捨離した?」とかよく聞きます。断捨離とは、いらない物や長くつかっていない物をただ「捨てる」ことだと思っている人も多いのではないでしょうか(私も、断捨離の本当の意味を知るまでは、そう思っていました)。
しかし実は、断捨離は片付け論の一つであり、ヨガの教えから着想を得て生まれた言葉だそうです。断捨離を提唱したやましたひでこさんによると、「モノを“ダイエット”し、不要なモノを“デトックス”することで、住まいに新陳代謝が促されます。住まいに溢れる過剰なモノを『出す』ことで、住環境に『巡り』を取り戻して」いけるそうです(『人生を変える断捨離』やましたひでこ著・ダイヤモンド社刊より)。
断捨離には、それぞれの文字に、次のような意味があるそうです。
断……入ってくる不要な物を断つこと。
捨……家にある不要な物を捨てること。
離……物への執着から離れること。
こんなふうに、断捨離は、この漢字3文字を組み合わせた造語で実は深い意味がありました。つまり、不要な物を断ち切り、物への執着心をなくすことで、身軽で快適な生活や人生を手に入れようとする前向きの考え方が断捨離です。
さらに、風水では、整理整頓された部屋は風通しがよく、運気やお金などの幸運が舞い込みやすくなるといわれています。逆に、物にあふれた部屋は、不要な物や使わない物が厄となって運を停滞させてしまうそうです。つまり、断捨離で不要な物を処分することで、部屋が片付くだけでなく、運気アップまで期待できるらしいので、それには賛成です。
世の中を、何でもかんでも捨ててしまう人と、なかなか捨てることができない人に分けると私は後者の部類に入ります。でもこの前向きな生き方をするための断捨離の意味を理解すると即、実行してみたいと思いました。