チョコレートのなかには「健康のため」と銘打って摂取をすすめるような商品もあります。しかし、チョコレートと健康の関係性は単純なものではないといいます。本記事では、日本唯一のチョコレートジャーナリストである市川歩美氏による著書『味わい深くてためになる 教養としてのチョコレート』(三笠書房)から一部抜粋し、チョコレートと健康の関わりについて解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
「チョコレートでダイエットできる」は結局ウソ?ホント?…チョコと健康の複雑な関係性【チョコレートジャーナリストが解説】
チョコレートでダイエットは可能か?
たまに「チョコレートでダイエットできるのですか?」と聞かれることがありますが、これは答えが難しく、一概には言えません。チョコレートは砂糖と脂質を含んでいるので、食べすぎには注意するべきだとお伝えしました。
ただ、さまざまな研究や事例、専門家の書籍を調べてみると、人によっては食べるタイミングやチョコレートの種類をよく選ぶことによって、若干のダイエット効果があるかもしれない、という結果もあるようです。
比較的太りにくいチョコレートは、カカオ分70%以上のハイカカオチョコレートですが、どんなに健康にいいとされているチョコレートでも、食べすぎれば太りますし、体のためにならないのは言うまでもありません。
体重が増える原因は、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ることです。余ったエネルギーは体に、脂肪として蓄積されてしまいます。
2014年、ドイツで発表された「チョコレート・ダイエット」が、じつはウソだったことが判明した出来事をご存じでしょうか?「毎日ダークチョコレートを食べると体重が減る」と発表された研究論文が、なんとでっちあげだったのです。当時は、世界中でニュースになりました。
「チョコレートでスリムに」だなんて夢のような話ですから、多くのメディアが飛びつき、その結果誤った情報が世界中に広まってしまったのです。この出来事から、私たちは「〇〇がダイエットにいい」「〇〇が体にいい」といった情報には、冷静に向き合う必要があることを学びました。
ダイエットを考えるうえでは、やはり一日の運動量や体調をしっかり見極め、チョコレートを取り入れたバランスのよい食生活を心がけることが大切です。
市川 歩美
チョコレートジャーナリストⓇ