「絵本のような風景」と形容されるイギリスの街並み。古い建物を大切に受け継ぎ、自分好みの空間を作り上げる彼らの暮らしは、イギリス人の文化の表れです。本連載では、イメージコンサルタント・テート小畠利子氏の著書『英国流 「自分に似合う」住まいの作り方:1人の時間も、みんなとの時間も、豊かで楽しい』(大和出版)より一部を抜粋・再編集し、英国流の素敵な住まいについて解説します。
手間をかけてアレンジするから、しっくりくる
さらに英国人はDIYが大好きで、自分の住まいのためならなんのその。金銭的に節約できるのはもちろん、自分好みにいくらでも変えられて、どれだけできるか挑戦したいという、自分の住まい作りに熱が入っています。
私が、はじめてロンドンで購入した物件は1930年に建てられたセミ・デタッチド(2軒の家が片側の壁を共有している)を上下2軒に改装した上階のフラットでした。それまで賃貸されていたせいか、内装はかなり古く汚れていたので、キッチンはプロに頼んでリフォーム。私の友人・エスターが、ペンキを買うところから教えてくれ、一緒に塗ったところ、2LDKのフラットは様変わり。内装は生き返り、一気に情がわいたことを思い出します。
英国人は仕事に真剣に打ち込みますが、家族や私生活にも重きを置き、仕事と同じくらいの時間を費やす国民です。そのため、ワーク・ライフ・バランスを保つために、ライフスタイルに合った「自分に似合う住まい」に暮らすことが不可欠なのです。
テート小畠利子
『トーキングイメージ』代表
イメージコンサルティング・養成