経済的に余裕があり優雅な生活を送っているケースが多いDINKs世帯。住宅ローンに、子どもの教育費と、重い負担にひーこらいっている子育て世帯に羨ましい存在です。しかし想定外の出来事で、そんな優雅な日々が終わることもあるといいます。
いつまでいるんだろう…〈世帯年収1,700万円・40代子どものいない夫婦〉港区・湾岸タワマン暮らしの終焉。原因は東北の自宅に帰らない夫の母「まさかの告白」 (※写真はイメージです/PIXTA)

家賃月25万円…東京・港区の湾岸タワマンに住む40代DINKs

結婚3年目の中村壮介さん(仮名・42歳)・亜美さん(仮名・40歳)夫婦。ともに結婚願望が高まらないまま30代後半を迎えていたときに出会い、結婚に至ったというふたり。年齢やお互いの仕事のことを考えて、「子どもはつくらない」と決めて結婚したといいます。

 

住まいは、東京・湾岸に建つタワマンの20階・2LDK。月25万円の家賃ですが、この金額が払えるのは世帯年収1,700万円で、子どもの教育費などの出費の心配がないからに他なりません。毎日仕事で頑張っているのだから、オフの時間を充実させたい……タワマンを選んだ理由のひとつです。また仕事優先のふたりにとって、ターミナル駅まで徒歩5分強というロケーションが決め手となったといいます。

 

中村さん夫婦のように、子どもを持たない決断をする夫婦は緩やかに増加傾向にあります。特に、共働きの「DINKs」(Double Income No Kids)世帯は、経済的余裕を持ちながら夫婦二人の生活を楽しむ夫婦の在り方としても注目を集めたときがありました。

 

子を持たない決断をする夫婦が増えたのは、まず結婚=子どもを持つという従来の価値観が薄れ、夫婦2人の生活を重視する夫婦が増えたこと。また、特にこの30年ほどは給与が上がらず、子を持つという経済的負担を避ける傾向も強くなったといわれています。

 

【子のいない夫婦の推移】

1992年…3.1%

1997年…3.7%

2002年…3.4%

2005年…5.6%

2010年…6.4%

2015年…6.2%

2021年…7.7%

※出所:国立社会保障・人口問題研究所『出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)』

※数値は結婚持続期間15〜19年の夫婦の完結出生子ども数に基づく、子=0人の割合