親の最期をどう見送るかは、いずれ誰もが直面する大切で避けられないテーマです。近年、家族葬を選ぶケースが多い一方で、親自身が望む葬儀の形を生前話し合わずに別れを迎えてから戸惑うケースも少なくありません。さらには、葬儀費用について事前準備ができていないと、遺された家族は大きな負担になることも。今回は葬儀費用の目安や準備方法、親の生前にしておくべきことについて、南真理FPが解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
普通の葬儀にしておくべきでした…年金月14万円で慎ましく暮らした79歳母が急逝。53歳息子が「人気だから」と選んだ〈家族葬でのお別れ〉をいまだに悔やむワケ【FPの助言】
葬儀の種類とそれぞれの特徴は?
葬儀にはいくつかの種類があります。以下に代表的な葬儀の種類を紹介します。
・一般葬
最も伝統的な形式で、親族や友人、知人など多くの参列者を招く葬儀です。会場を借りて行うことが多く、通夜と告別式を行います。参列者に対して会食を提供する場合もあります。葬儀費用は高くなりやすいですが、多くの人に見送ってもらうことができます。
・家族葬
親族や親しい友人のみが参列する小規模な葬儀になります。参列者を限定することで落ち着いた雰囲気で執り行うことができます。費用を抑えることができますが、後から故人の友人や知人からお別れを希望されることがあるため、周知しておく必要があります。
・直葬(火葬式)
通夜や告別式を行わず、火葬のみを行う簡素な葬儀になります。最も費用を抑えられる形式ではあります。故人を静かに見送りたい人には向いている形式と言えます。
・一日葬
通夜を省略し、告別式と火葬を1日で行う葬儀です。家族葬と一般葬の中間的な形式になります。一日で執り行うことができるため遺族や参列者の負担が軽減され、費用も一般葬より抑えることができます。