昔加入した保険。なかには、いまでは信じられないほど利率が高い「お宝保険」があります。しかし、安易に解約すると大損してしまうことも。大事にしたほうがいい保険、シニアになったら解約してもいい保険とは? 本記事ではAさんの事例とともに、定年前後の保険について、CFPの伊藤貴徳氏が解説します。
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シニアになったら解約してもいい保険、2つ
保険はライフステージによって必要性が変わるものです。特にシニア世代になると、これまで必要だった保険が不要になるケースもあります。
1.子どものための保障が目的の保険
若いころに子どもの教育費や生活費を支えるために加入した保険は、子どもが独立したあとは優先度合いは下がります。特に以下のような場合は解約を考えてもよいでしょう。
・子どもが成人し、経済的に自立している。
・自分が定年を迎え、年金生活となった
例:死亡保障が大きい定期保険、保障目的の終身保険
こういった保険は目的を果たしたあとに維持するメリットが少なく、解約することで保険料負担を減らすことができます。
2.老後のための生活費の補填が目的の保険
貯蓄型の保険は、長年続けることでこれまで支払った保険料を上回る解約金を受け取ることができるケースもあります。特に、お宝保険と呼ばれる予定利率の高い保険はその傾向が大きくなります。解約することで受け取る解約返戻金を、老後の生活費に充てるという目的で保険に加入したのであれば、その保険は本来の役割をしっかりと果たしたことになります。
保険の解約・見直しの前に
保険はライフステージや家族の経済状況によって必要性が変わります。特に「お宝保険」のように高い価値を持つ保険を解約する際は、慎重な判断が求められます。
また、不要になった保険を解約することで家計の負担を減らす選択もありますが、その際は家族と相談したり、専門家のアドバイスを活用したりすることが重要です。保険の解約・見直しは、自分と家族の将来を守るための大切な行動です。周囲の大切な方々と話し合いながら決めることをお勧めします。
伊藤貴徳
伊藤FPオフィス
代表