「夫の職場はどこ?」に答えられない妻
ある女性の話です。買い物に行ったときに、美味しそうなイチゴのケーキを見つけました。「イチゴのケーキは夫の大好物」だということを思い出したので買って帰り、夫は喜んでくれました。この夫婦はその後もずっと仲睦まじく暮らしています。夫婦関係に一番必要なのは、こういう思いやり、気遣いです。でも、相談に来る方の中には、さまざまな理由で気遣いを忘れてしまっている人が多いのです。私はバリバリの昭和世代なので、人には気遣いをするように教えられて育ちました。でも、最近は他人への気遣いよりも、自分の利益を追求する人が増えているようです。
気遣いとは、いわば「小さな愛情」です。相手のことを優先して考える姿勢がなければ、夫婦関係は遅かれ早かれ危機を迎えてしまうでしょう。気遣いができないどころか、そもそも自分のパートナーに関心がないのでは?とさえ思うことがあります。
「夫の職場はどこにあるのか」「勤め先の会社やチームの社員数はどれくらいか」といった質問をしても、答えられない人がいるのです。「駅はわかるけど、行ったことはありません」と答える人はまだましです。もちろん、パートナーの仕事の内容などまったく知りません。それくらい夫婦間のコミュニケーションが失われているケースも多いのです。
岡野あつこ
株式会社カラットクラブ
代表取締役社長