L、D、Kと数字の組み合わせで表現する間取りは、物件を選ぶときに必ず目にする情報です。間取りは居宅の購入だけでなく、不動産投資をするうえでも重要な要素となります。本記事では、間取りの表記における基礎知識を踏まえ、不動産投資で有利な間取りの種類、避けるべき間取りの種類について解説します。

 

間取りの基礎知識

間取りの概要を踏まえ、表記の種類について解説します。

そもそも間取りとは?

間取りとは、住宅にある部屋の構成や配置のことです。間取り図は部屋の配置を平面図にしたもので、不動産会社やハウスメーカーなどが作成します。1K、2LDKのように、部屋数、部屋の種類であるアルファベットを組み合わせることで間取りを表記します。間取りで用いるR、L 、D、Kには、以下の意味が含まれています。

 

 

なお、実際の間取り図では、R、L、D、K以外の表記を目にすることもあります。R、L、D、K以外で、部屋や設備を意味する表記は次のとおりです。

 

 

 

間取りにある「数字」の意味とは?

1DKや3LDKなど、間取りにある数字は「居室」の数を表します。3LDKでは3つの居室とリビング、ダイニング、キッチンがあることを示します。

 

なお、居室とは、食事や就寝、娯楽や作業など日常生活を営むための部屋のことです。居室に該当する部屋は、建築基準法に基づく、採光と通風などの条件を満たす必要があります。なお、採光は外の自然光を室内に取り入れること、通風とは室内に風が通り抜けることです。

 

居室の条件に該当しない部屋は、納戸やサービスルームなどに分類されます。

間取りにおける「R・K・DK・LDK」の違い

間取りは居室の数が異なるだけで、R・K・DK・LDKの表記は共通です。R・K・DK・LDKの表記による、間取りの違いは次のとおりです。

 

 

 

なお、DKとLDKの広さに関する基準は、不動産公正取引協議会連合会が「不動産の公正競争規約」に指導基準として定めたものです。DK・LDKの表示を用いる際に最低限必要な広さを定めるのは、不動産取引において消費者の合理的な選択と事業者間の公正な競争を確保するためです。

 

アルファベット表記が増えるほど、部屋や設備の数が増えるため、部屋の面積も広くなる傾向にあります。ただし、間取りは具体的な面積を表すものではないため、物件を選ぶときは「専有面積」の広さを確認しましょう。

 

専有面積とは、居住者が独占して利用できる部屋の床面積のことで、おもにマンションなどの集合住宅の場合に用いられます。ロフトやバルコニーなど、基本的には専有面積に含まれない部分があるので確認が必要です。

 

 

投資用物件で有利になる間取りとは?

間取りは住宅の購入や賃借をする方だけでなく、不動産投資の物件を選ぶときにも重要な要素です。ここからは、入居者に人気があり、空室になりにくい有利な間取りについて解説します。

 

大都市圏の1R・1K

投資用物件で大多数を占めるのは、1Rや1Kなどの単身者向けの間取りです。東京や大阪などの大都市圏は、進学や就職によって単身者が集中する地域です。繁華街や大学があるエリアは単身者が多く1Rや1Kの需要が高いため、投資用物件も多い傾向にあります。

 

なお、物件を1棟持つ場合、世帯数が多いほど家賃収入が増えます。1Rや1Kの間取りにすると戸数を多くできるうえに、1戸の家賃を下げることも可能です。特に、大都市圏は家賃が高いため、家賃が安い物件は人気があります。無理なく払える家賃を設定できれば、空室のリスクも軽減できるでしょう。

 

投資用物件を購入する際、コンパクトな1Rや1Kは価格が手ごろです。不動産投資初心者の方は、立地が良い1Rや1Kの物件を探してみるとよいでしょう。

 

なお、住民の年収が高いエリアでは、部屋が広い1DKや1LDKのほうが需要があるケースもあります。

2DK以上の間取りは夫婦やカップルに人気

子どものいない夫婦やカップルは、2DK以上の間取りが適しています。居室が2つあることで、それぞれのプライベートの時間を確保できるためです。なお、来客が多い家庭の場合、広いリビングがある1LDKもおすすめです。

 

また、住民の収入が高く治安の良いエリアであれば、高収入の世帯を狙うことも可能です。家賃を多少高くできるうえに、人気のエリアほど空室になってもすぐに入居者が決まる傾向にあります。

ファミリー層が多いエリアは2LDK以上

ファミリー層が集まるエリアは、単身者が多いエリアとは条件がまったく異なります。ファミリー層がターゲットとなる、エリアの条件は次のとおりです。

 

●近隣に保育園や学校がある

●公園や図書館など、子ども向けの施設がある

●交通量が多い幹線道路から離れた位置にある

●交番や消防署など、人が常駐する施設がある

 

ファミリー層は子どもを第一に考えることが多く、周辺施設の利便性や治安などの環境を重視する傾向にあります。なお、高級住宅地があるエリアでは、十分な広さがある2LDKや3LDKが好まれる傾向です。駅から距離がある物件を購入する場合、駐車場付きの物件を選ぶのがおすすめです。駐車場付きの物件がないときは、近隣の月極駐車場に関する情報を調べておくとよいでしょう。

資産価値が高い角部屋

マンションの各階の端に位置する角部屋は、入居者から人気があります。

 

角部屋は隣接する部屋が少ないため、騒音問題が起きにくいメリットがあります。また、ほかの部屋と比べて窓を多く設置できるため、日当たりや風通しが良いのも特徴です。

 

「角部屋だから」という理由で、ほかの部屋よりも家賃を高く設定でき、人気が落ちにくく資産価値も高いため、角部屋があるときは購入を検討してもよいでしょう。

 

 

投資用物件の間取りで注意すべきこと

投資用物件を選ぶ際、間取り以外で見るべきポイントには以下のものが挙げられます。

地域のニーズに合う間取りを選ぶ

投資用物件を選ぶ際、立地や利回りを重視する傾向にあります。しかし、物件があるエリアにおいて、どのような物件のニーズがあるのか確認が必要です。

 

学生など単身者が多いエリアは1Rや1K、保育園や学校があるエリアはファミリー向けの2LDK以上など、ニーズに合った間取りの物件を選びましょう。エリアにおけるニーズは、不動産業者の聞き込み、物件情報の募集状況、教育施設の有無などで推測できます。

 

なお、部屋の形状が正方形や長方形ではない、いびつな形状の間取りは不動産投資では不利になります。三角形や半球状などの間取りは、家具が配置しにくいことで人気が劣るためです。リフォームでは対応しきれないため、住みやすい間取りの物件を選びましょう。

狭小&ユニットバスのワンルームは避ける

かつては高い利回りを確保するため、面積が狭い1Rにユニットバスという物件が主流でした。しかし、バス・トイレが別の物件の人気が高く、狭小の1Rの物件は需要に対し供給が上回っている状況です。

 

1Rの投資用物件を購入する方は、バス・トイレが別の物件を探し、ユニットバスの物件は避けたほうが無難でしょう。ユニットバスは工事で分離する方法もありますが、余計な費用がかかるうえに面積が狭くなる可能性もあるので注意が必要です。

まとめ

部屋の配置を示す間取りは、L、D、Kと居室の数を組み合わせて表記します。居室以外の部屋と設備は、別のアルファベットで表記されています。

 

投資用物件を購入する場合、エリアのニーズに合わせた間取りを選ぶことが大切です。例を挙げると、単身者が多い地域は1Rや1K、2人暮らしは2DK以上、ファミリー層は2LDK以上の間取りが適しています。ただし、1Rでユニットバスの狭小物件は、供給が上回っているため慎重に検討しましょう。

 

ただし、手っ取り早く不動産投資をはじめたい方は、間取りの関係性を勉強するよりもCOZUCHIを利用するのがおすすめです。COZUCHIは不動産投資クラウドファンディングサービスで、1万円からの少額の不動産投資が可能です。

 

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また、現物の不動産を持たずに運用をプロにお任せした形で投資ができるため、不動産の管理に関する作業も不要です。

 

 

※本記事は「COZUCHI magazine」で、2024年7月9日に公開された記事の転載です。