プロパティマネジメント(PM)とアセットマネジメント(AM)の違い・関係性
プロパティマネジメント(PM)と、アセットマネジメント(AM)は、不動産投資においてそれぞれ異なる役割をもちますが、密接に関連しています。
プロパティマネジメントは、物件の維持管理や入居や対応といった不動産の管理や円滑な運営をサポートします。これに対しアセットマネジメントは、不動産だけでなく資産全体の運用戦略や不動産の購入・売却に関する判断を担い、投資のパフォーマンスを最大化することを目的としています。
不動産は購入から売却までの間、常に一定の資産価値を保つわけではなく、不動産所得が黒字でもキャッシュフローが赤字になることもあります。そのため、特に複数の不動産を所有している場合には、各物件の管理をプロパティマネジメントに任せて集積性を確保しつつ、アセットマネジメントに依頼して全体の経営状態を監視してもらうことが効果的です。
このように、プロパティマネジメントとアセットマネジメントは、短期的・長期的な視点の双方が求められる不動産投資において、双方向から投資をサポートする強力なパートナーとなります。
プロパティマネジメント(PM)の重要性・利用メリット
ここからは、プロパティマネジメントの重要性や、業務を依頼するメリットについて、さらに掘り下げて解説します。
空室リスク・家賃滞納リスクを低減できる
プロパティマネジメントを活用することで、空室リスクや家賃滞納リスクを大幅に低減できる可能性があります。
プロパティマネジメントが専門的な知識と経験を活かし、効果的な入居者募集戦略を立案・実行することで、市場動向を踏まえた適切な賃料設定や、ターゲットに合わせた広告展開が可能なので、空室期間を最小限に抑えることが期待できます。
また、入居者の審査や日常的なコミュニケーションを通じて、家賃滞納のリスクを軽減することが可能です。万が一、家賃滞納が発生した場合は、プロパティマネジメント会社が督促を行ってくれるため、適切な対処が可能となります。
もっとも、プロパティマネジメントの活用が必ずしも安定性を保証するものではありません。経済状況や地域の特性など、外部要因の影響を完全に排除することはできませんが、プロパティマネジメントの専門的なアプローチにより、より安定した収益確保の可能性が高まります。
資産価値の維持・向上を見込める
プロパティマネジメントの活用により、不動産の資産価値を長期的に維持・向上できる可能性が高まります。
プロパティマネジメントは定期的なメンテナンスやトラブル対応を通じて、建物や設備の劣化を最小限に抑えます。また、日常的な点検や迅速な修繕対応により、小さな問題が大きなダメージにつながるのを防ぎ、物件の競争力の維持に努めます。
さらに、市場トレンドや入居者ニーズの変化を捉え、適切なタイミングで設備のアップグレードや改修工事を提案することで、物件の魅力度を向上させることが可能です。長期的な修繕計画の立案と実行をプロが行うことで、突発的な大規模修繕を避け、計画的な資金管理も可能となるでしょう。
これらの取り組みにより、物件の資産価値の維持・向上が期待でき、将来的な売却や借り換えの際にも有利に働く可能性があります。
オーナーの時間・負担を軽減できる
プロパティマネジメントを活用する利点として、不動産オーナーの時間的・精神的負担を大幅に軽減できる点も挙げられます。
物件管理には多岐にわたる業務が含まれており、これらをすべてオーナー自身が行うのは非常に時間と労力を要します。プロパティマネジメント会社に業務を委託することで、入居者対応、賃料回収、建物メンテナンス、各種書類作成など、業務負担が削減されます。
これにより、オーナーは自身の本業の仕事や他の投資活動に集中することができ、時間を有効活用できるようになります。緊急時の対応もプロパティマネジメント会社が代行するため、24時間365日の対応に追われる心配もなくなります。
また、不動産管理の専門知識や経験が十分でない場合でも、プロパティマネジメントの専門家のサポートにより、安心して不動産運用に取り組むことが可能です。
このように、プロパティマネジメントの活用はオーナーの生活の質を向上させ、より効率的な資産運用を実現する手段となります。