イルカショーなどのイベントや独自のプログラムなどで海の生き物の生態や進化の秘密を発見できる水族館。最近は最新のデジタルテクノロジーで海の世界の魅力を伝える水族館や、来場者がオンラインで餌やりに参加できるプログラムスマートフォンをかざすだけで水槽にいる生物名と解説が表示されるサービスを備えた水族館も増えています。最新テックを導入した水族館をご紹介します。
最新デジタルテックと融合したショーやオンライン餌やりも…進化する水族館テック マクセルアクアパーク品川で開催するドルフィンパフォーマンス ナイトver.「Bright Christmas Party 」イメージ(横浜八景島、ネイキッド提供)

生物・業務管理システム「ハマスイ+」桂浜水族館のDX

エサの準備や給餌、生物の成長把握や飼育環境の整備、来館者向けのガイドやイベント企画など水族館業務は多岐にわたりますが、DX化も進んでいます。

 

古参のファンが多いことでも知られる高知県の桂浜水族館(高知県高知市)は兵庫ベンダ工業株式会社海洋水産技術研究所(兵庫県姫路市)、リベラ株式会社(東京都渋谷区)と共同で水族館業務のDX化を目的とした生物・業務管理システムを構築し、それらを応用したサービス「ハマスイ+」を公開しました。

 

「ハマスイ+」のシステム(兵庫ベンダ工業提供)
「ハマスイ+」のシステム(兵庫ベンダ工業提供)

 

生物飼育にはもちろん責任を持って人がやらなければならない業務がありますが、デジタル化できるものもあります。まずはこれまで人力で行ってきたデータ入力、給餌や監視など夜間業務の負担軽減から着手し、館内スタッフの行動把握、生物の成育把握、水質データの自動取得、遠隔給餌、24時間リアルタイム監視ができるシステムを構築しました。

 

また、ファン向けに新サービスサイト「ハマスイ+」を立ち上げ、スタッフが歩いている場所をリアルタイムで可視化したり、遠隔からの餌やり体験「オンライン餌やり(回数制限あり)」、特典映像などを用意。こちらもインタラクティブな体験から、実際に足を運んでもらうなどリアルな体験へとつなげたい考えです。