円安・円高の仕組み
為替レートにて「円」と他国の通貨を比べた際、過去の為替レートに比べて円が相対的に強ければ円高、円が弱ければ円安となります。その際、円と頻繁に比較されるのがアメリカの「米ドル」です。
例えば、1ヵ月前は1ドル100円だったのに対して現在1ドル110円になった場合、1ドルを買うために10円多く払う必要があります。この状態は円の価値が下がっている、つまり円安です。
一方、1ドル90円になった場合は、1ドルが10円安く購入できることになるため、円の価値が上がっている、つまり円高となります。このように、為替レートにおいて円と他国通貨は相反する関係にあります。
円安になる原因はさまざまですが、近年の円安傾向として、主な要因は日本とアメリカの金利差が考えられます。
円安のメリットとデメリット
円安の時代を乗りきるには、まず円安のメリットとデメリットを理解することが大切です。特に円安のメリットを知ることで、今できる投資や資産運用が見えやすくなります。
円安のメリット
円安になると、一般的に以下のようなメリットがあります。
●輸出商品が割安になる
●外国人観光客が増える
●外貨建て資産が有利になる
などの影響で企業の業績が伸びて賃上げなど、所得水準が上がる可能性があります。
円安では円の価値が相対的に下がることから、輸出事業で有利になります。例えば、1ドル100円のときに100万円の商品を輸出すると1万ドルになりますが、1ドル130円のときでは約7,700ドルになり、日本製品を割安で購入可能です。これにより、売上アップが期待できます。
また、日本円が安く交換できるため外国人観光客が増えたり、日本商品が購入されやすくなったりするため、外貨建て資産を持っている人も有利になります。
円安のデメリット
円安になると、以下のようなデメリットがあります。
●輸入商品が割高になる
●物価やエネルギー価格の高騰
●海外旅行のコストが割高になる
円安では円の価値が相対的に下がるため、海外物資を輸入すると損します。日本は輸入に頼っている部分が大きいため、売上の減少やコストの高騰などを強いられる企業も増えるでしょう。これにともない、物価やエネルギー価格の高騰が起こるほか、海外旅行のコストが割高になるデメリットも挙げられます。
円安の時にすること|投資・資産運用
円安になってから「何か対策をしておけばよかった」と考える人は多いですが、円安の時こそできることもあります。ここでは、円安のときにできる投資や資産運用を紹介します。
外貨預金
外貨預金とは、円で外貨を購入・預け入れして中長期で資産を積み上げていく金融商品です。
「円安のときに外貨を購入すると損をする」と考える人も多いですが、円預金はほとんど金利がつきません。一方、外貨預金は円預金に比べて金利が高い傾向にあります。また、少子高齢化が進む日本では、この先さらに円安が進む可能性も否めないため、外貨預金は円安のときでも魅力的な資産運用だといえるでしょう。
ただし、外貨預金は為替手数料が比較的高く、短期間でやめてしまうと元本割れするリスクがあります。そのため、購入回数を複数回に分けて為替相場の影響を減らしつつ、中長期で運用することが大切です。
外貨建ての投資信託
投資信託とは、運用のプロであるファンドマネージャーが投資判断をしてくれる金融商品です。株式や債券など、さまざまな金融商品のなかから成長が見込める商品に投資してもらえるため、投資初心者でも比較的手軽に始められます。
外貨建ての投資信託では、円安時に円換算したほうが多くの円を受け取れる仕組みです。この先さらに円安が進む可能性を考慮すると、外貨預金同様に、円安時も魅力的な金融商品だといえます。また、投資信託は複数の銘柄に分散投資ができ、価格のボラティリティ(上下動)を抑えられるというメリットもあります。
ただし、運用するには購入手数料や信託報酬(運用管理費用)といったコストがかかるほか、利益が出るまでに時間がかかることもあるため、中長期で運用することが前提です。
外国債券
債券とは、国や企業などの発行体が資金を借り入れるために発行する借用証書です。債券を購入すれば資金を貸したことになり、満期まで継続的に利息を受け取れます。また、満期時には元本またはあらかじめ約束した金額が払い戻されるため、少ないリスクで資産を増やすことが可能です。
外国債券は発行元、発行市場、通貨のいずれかが海外となる債券で、日本国債よりも利回りが高い傾向にあります。換金時に為替差益も狙えるため、円安時にもできる投資の一つといえます。
株式投資(外国株)
株式投資とは、企業の株式を購入して株価の値上がり益や配当金を得る投資方法です。
外国株の株式投資では、海外の企業が発行する株式を外貨で購入し、配当金も外貨で支払われる仕組みです。そのため、日本円に換金するときに円安であれば有利になるほか、為替差益を得ることもできます。
株式投資(国内株)
円安のときは、円安の恩恵を受けれる国内の輸出やインバウンド関連企業、バリュー銘柄、高配当株などを購入するのもおすすめです。
円安になると輸出事業やインバウンドで有利になるだけでなく、日本企業の株を安く購入できるため、海外投資家の参入も多くなります。このタイミングで割安、かつ高配当な日本株に投資しておくことで、インカムゲイン(現金収益)とキャピタルゲイン(売却益)の両方を得られる可能性が高まります。
円安の時の投資・資産運用で注意すること
円安のときでもできる投資や資産運用は複数ありますが、運用の仕方によっては損をしてしまう可能性もあるため、注意が必要です。以下、円安時の投資・資産運用における注意点を紹介します。
円高になることも想定する
円安のときは、「できるだけ多くの円を外貨に換えて為替差益を得たい」と考えがちです。しかし、円安は永遠に続くものではありません。将来、円高傾向が強まることも十分考えられるため、外貨を持ちすぎると、円高になった際に損をしてしまいます。そのため、円高になることを想定したうえで、複数の資産をバランスよく配分することが大切です。
途中でやめない
投資・資産運用は、長期で運用するのが基本です。途中でやめてしまえば利益が得られなかったり、場合によっては損をしたりする可能性があるため、注意しましょう。
円安になると、今まで続けてきた積立投資をやめてしまう人も少なくありません。特にドルコスト平均法を採用している投資では、購入回数を複数に分散することで値動きのリスクを抑えられ、長期の積立により複利効果で資産を築きます。そのため、途中でやめてしまうと意味がありません。
投資・資産運用の本来の目的を忘れず、一時期の値動きだけで判断しないことが大切です。
円安の時も不動産投資は有効!
円安時はおもに外貨を利用した投資や資産運用、また国内の輸出・インバウンド関連企業への投資などが有利になりますが、それ以外に不動産投資もおすすめです。
家賃収入に影響しない
不動産投資では、家賃収入で利益を得るのが一般的です。円安で物価が上昇し、入居者の生活が苦しくなった場合に、「家賃の減額を要求されるのではないか」と懸念する人も多いでしょう。
しかし、日本では借地借家法によって家賃額の規定が定められているため、円安だからといって賃借人が家賃の減額を要求することは難しいでしょう。また円安時は輸入物価の上昇などにより、インフレになることがありますが、インフレにより賃金増加に繋がれば、家賃を高めに設定できるため、さらに多くの家賃収入が期待できます。
なかには定期的に家賃変更ができる定期借家契約もありますが、日本ではまだ少数なため、家賃減額のリスクは大きくならないでしょう。
海外からの投資需要が上がる
そもそも日本の不動産は、都市部の高級物件であったとしても、世界的な都市に比べれば割安といわれています。円安となれば外貨の価値が上がるため、海外投資家からすればさらに購入しやすくなるのです。また、場所や物件にもよりますが、円安時の物価高によって不動産価値も上がっていくため、高い値段で売却できる可能性もあります。
実物資産を持てる
実物資産とは、形があるもので、その物自体に価値がある資産のことをいいます。実物資産と円は相関関係にあり、円の価値が下がると実物資産の価値は上がる傾向にあります。
不動産には売買によるキャピタルゲインと、家賃収入によるインカムゲインの強みがあり、インフレ対策にも効果的です。つまり、インフレ時は不動産も実物資産としての強みになるといえます。
円安でも円高でもCOZUCHIの不動産投資クラウドファンディングがおすすめ!
不動産投資は円高・円安を問わず非常に有利な資産運用ですが、自分で不動産を購入し、管理・運用しながら利益を得るのは簡単なことではありません。また、不動産の購入にはまとまった資金が必要になるため、躊躇する人や諦める人も少なくないでしょう。
そんな人には、COZUCHIの不動産投資クラウドファンディングがおすすめです。
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まとめ
円安時は相対的に円の価値が下がることから、輸入商品が割高になったり、物価やエネルギー価格が高騰したりします。
しかし、外貨を利用した投資や資産運用、国内の輸出・インバウンド関連企業への投資などにより、円安のリスクを上手に回避することが可能です。
特に不動産投資は円安時のインフレ対策にも有利となり、定期的な収入を得られる可能性があります。
COZUCHIの不動産投資クラウドファンディングなら、少額で不動産投資を始められるため、ぜひこの機会に検討してみてください。
【監修者】
氏名:齋藤 彩(さいとう あや)
所有資格:CFP(Certified Financial Planner)、薬剤師免許
おもなキャリア:急性期総合病院において薬剤師として勤める中、がん患者さんから「治療費が高くてこれ以上治療を継続できない」と相談を受けたことを機にお金の勉強を開始。ひとりの人を健康とお金の両面からサポートすることを目標にファイナンシャルプランナーとなることを決意。現在は個人の相談業務・執筆活動を行っている。