昨今はスポーツと人の結びつきが変わりつつあります。スマホやSNSの普及により時間を奪われることを理由の一つに、子どもの体力低下(※1)や、スポーツ離れ(※2)が叫ばれています。さらに、YouTubeやTikTokなどテンポのいい動画に慣れているため、シナリオの読めない展開が長時間つづくスポーツ中継に耐えられない子どもが増えており、中継離れが指摘されています。一方で、健康や美容を目的に「運動したい」と考える大人は増えています。この10年間で、国内大手スポーツジムは3,000店舗(※3)増加。フィットネス市場は、コロナ禍に一旦落ち込むも拡大傾向にあります。そうした状況のなか魅力を放つ、スポーツがもたらす喜びを体験できる最新テクノロジーを紹介します。 (※1)https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/021001a.htm (※2)https://www.mext.go.jp/sports/content/20210329-spt_sseisaku01-000013723_10.pdf (※3)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000832.000043465.html
試合を3Dアニメ化して生中継。スポーツの可能性を拡張する未来のテクノロジー (※写真はイメージです/PIXTA)

初心者でも安全にスポーツを疑似体験できる「スマートフェンシング」

大日本印刷株式会社が官民連携で盛り上げているのは「スマートフェンシング」。近年日本人選手の活躍が目立つフェンシングですが、剣や防具など扱いには危険が伴います。加えて、特殊な装備や採点用の機器など必要備品が多く、体験する機会は少ないという課題を抱えていました。

 

そこで、スマートフェンシング協会が提供しているのは、柔軟性のある専用の剣と導電性のあるジャケットを装備し、スマートフォンのアプリとつなげて、フェンシングを擬似体験できるサービスです。

 

剣にはセンサーと通信機器が内蔵されており、ジャケットに剣の先端が当たるとセンサーが反応。得点が入る仕組みです。場所を選ばず安全に楽しむことができ、多くのスポーツ・教育施設、イベントでの活用が始まっています。こうした手軽に楽しめる機会の創出によって、フェンシング人口の裾野を広げていくことが期待されています。

 

 

(参考)スマートフェンシング|大日本印刷

https://www.dnp.co.jp/news/detail/20173854_1587.html

最新テクノロジーでスポーツの魅力を再発見

スポーツは人生を豊かにしてくれるかけがえのない友人ですが、年齢や体力・環境の変化等により、しばしば疎遠になってしまうことも。最新のテクノロジーを活用することで、スポーツの魅力と再会し再発見することができるかもしれません。今後の展開がますます楽しみな分野です。

 

 

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<著者>

有馬美穂

ライター・エディター。2004年に早稲田大学第一文学部を卒業。『VERY』等、さまざまな雑誌媒体で女性のライフスタイル、健康、教育、ジェンダー、ファッションについての取材執筆・構成を行う。