日本は国民皆年金とされていますが、実際は資格期間が足りず年金がゼロ円だったり、資格期間を満たしていても低年金だったりするケースも。そのような高齢者は何を思っているのでしょうか。
年金なんてバカにしていたよ。築60年の市営団地に住む「年金月2万円」80歳のおひとり様男性、「早く寿命が尽きれば…」と人生を大後悔 (※写真はイメージです/PIXTA)

年金保険料納付率…直近では9割に迫る勢い!?

――月1万6,980円!? 昔は100円とか、それくらい。ずいぶんと高くなったな

 

橋本勝利さん(仮名・80歳)。昨今の国民年金保険料の金額を聞いて驚いている様子。戦前生まれ。国民健康保険・国民年金が国民皆保険・皆年金となったのは昭和36(1961年)年のこと。それから5年間、35歳未満の国民年金保険料は100円でした。

 

橋本さんが20歳になったのは、最初の東京五輪が開催された昭和39年(1964年)と、年金保険料が35歳未満が100円、35歳以上が150円の時代。

 

保険料において、35歳未満・35歳以上の区別がなくなったのは、昭和45年(1970年)。このときの保険料は450円。1,000円を超えたのは昭和50年(1975年)で1,100円。1万円を超えたのは平成5年(1993年)と、意外と最近のこと。さらに1万5,000円を初めて超えたのは平成22年(2010年)と、ついこの間のことです。

 

最近は年金保険料の未納に対して、厳しい対応がとられています。日本年金機構によると、2023年、17万6,779件の年金未納者に対して最終催告状が送られました。その後、10万2,238件に対して「督促状」が送られ、3万0,789件に対して「財産差押」が行われました。

 

このような対応の結果、年金保険料の納付率は改善傾向にあります。

 

日本年金機構が発足した平成22年(2010年)の最終納付率は64.5%。平成25年(2013年)には70.1%と7割に達し、令和2年(2020年)には80.7%と8割に達しました。令和5年度(2023年度)納付率は77.6%。最終納付率は8~10ポイントほど上昇することから、最終的には9割弱に達する可能性があります。

 

――昔は年金なんてバカにしていたからな。保険料払うだけもったいないと思ってた