複利とは
複利とは、元金に付いた利息を元金に組み込み、これを新たな元金として利息を計算する方法です。
複利は「(元金+前年の利息)×年利」で表され、最終的な資産は「元金×{(1+年利)}累乗年数」で計算されます。年数が経つほど元金が増え、元金の増加にともなって利息も増えるため、長期投資になるほど運用効果が高くなる点が複利の魅力です。
複利と単利の違い
利息の計算では、複利のほかに「単利」もあります。単利とはどのようなものなのか、また複利とはどのような違いがあるのか解説します。
単利とは
複利では一定期間ごとに利息を元金に組み入れますが、単利では最初の元金に対してのみ利息が付きます。
単利の計算式は「元金×年利」で、最終的な資産は「元金+(元金×年利×年数)」です。単利は利息を元金に組み入れないため、複利のように効率良く資産を増やせない点がデメリットです。
運用期間による複利と単利の違い
単利と比べて複利は効率良くお金が増えると説明しましたが、具体的にはどのくらい差があるのでしょうか。ここでは、100万円を年利3%で運用した場合の違いを見てみましょう。
期間 | 単利で運用 | 複利で運用 | 差額 |
---|---|---|---|
1年 | 103万円 | 103万円 | 0円 |
3年 | 109万円 | 109万2,727円 | 2,727円 |
5年 | 115万円 | 115万9,274円 | 9,274円 |
10年 | 130万円 | 134万3,916円 | 4万3,916円 |
15年 | 145万円 | 155万7,967円 | 10万7,967円 |
20年 | 160万円 | 180万6,111円 | 20万6,111円 |
25年 | 175万円 | 209万3,777円 | 34万3,777円 |
30年 | 190万円 | 242万7,262円 | 52万7,262円 |
※1円未満切り捨て
単利と複利の差額は、運用期間が短い場合では数万円程度ですが、15年で10万円を超え、30年では50万円以上になります。
長期になるほど、複利の効果が高いことが実際にわかっていただけたのではないでしょうか。もちろん年利が高くなれば、この差はさらに広がります。
複利の72の法則
複利で資産運用をする際に覚えておくと便利なのが「72の法則」です。72の法則を使えば、複利で運用した際に、資産が何年後に倍になるのか簡易的に計算できます。
計算式はとてもシンプルで「72÷年利=資産が倍になる年数」で表されます。
例えば、年利3%の場合であれば、72÷3=24年で資産が倍になります。先ほどの表を参考にした場合、25年の時点で209万3,777円になっていることから、計算がおおむね正しいことがわかっていただけるでしょう。
さらに、この法則から、銀行預金で資産を増やすのが現実的ではないこともわかります。例えば、定期預金の年利は高くても0.3%程度ですが、年利0.3%で資産を倍にするには72÷0.3=240年もの年数が必要です。
複利を上手に活かすポイント
複利を上手に活かすには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。ここではポイントを3点紹介します。
長期投資をする
1点目は、長期投資をするということです。先ほども解説したように、複利は長期になるほど効果が高くなります。長期投資をする場合は「ドルコスト平均法」などを利用すると効果的です。
ドルコスト平均法は、金融商品を定期的に一定金額ずつ購入する方法で、価格が安いときには多く、高いときには少なく購入することで、購入価格を平均化できるというものです。
毎月一定額を自動的に積み立てる方式にすれば、短期間の値動きにも悩まされずに済むでしょう。
配当がある場合は再投資する
2点目は、利息や配当を再投資することです。複利では、利息や配当で利益が発生した場合、その利益を元金に組み込むことが大切です。
しかし、投資信託などのなかには、利益が発生しても再投資されずに分配される商品があります。再投資されない商品を選んだ場合は、自分で再投資するようにしましょう。
自分で行なうのが面倒だと思う方は、利益が分配されず自動的に再投資される商品がおすすめです。
運用コストを削減する
3点目は運用コストの削減です。投資信託のなかには手数料が必要なものもあります。利益よりも手数料が高いとその分運用できる資金が減るため、複利の効果が低くなります。複利の効果を高めるためには、手数料などが安い商品を選ぶことも大切です。
複利を活かした投資方法
複利を活かせる投資方法には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは3つの投資方法を紹介します。
つみたてNISA
つみたてNISAとは、NISAのうち少額からの長期積立に特化した投資方法です。投資で得られた利益が非課税になるなどのメリットがあります。
つみたてNISAでは、投資できる金額が年間40万円まで(20年間で最大800万円まで)に限られているほか、非課税期間は最長20年です。また、対象となる商品は金融庁が指定する商品に限られています。
ちなみに、つみたてNISAは2024年から新制度に移行します。現行制度では年間40万円だった投資可能金額が、新制度ではつみたて投資枠と成長投資枠との併用で年間360万円までになるほか、非課税保有期間が無期限になるなど、より使いやすい制度になるでしょう。
iDeCo
iDeCoとは私的年金の一種で、老後資金を補うための制度です。iDeCoでは、運用により得られた利益が非課税になるだけでなく、掛金が所得控除の対象になることなどもメリットです。
特徴として、NISAでは必要なときにいつでも解約して現金にできますが、iDeCoは原則として60歳まで引き出せません。逆にいえば、60歳まで資金を動かせないことから、その分複利効果が期待できます。
ただしつみたてNISA、iDeCoを活用して投資する株式や投資信託などは、短期的には値動きが大きくなるリスクを伴う投資でもあります。
安定して資産を構築するためには、これらとは別に不動産など相対的に値動きの小さい商品にも分散投資しておくことがポートフォリオを組む上で有効と言えます。
不動産投資クラウドファンディング
そこで有効な投資先として注目されているのが、不動産投資クラウドファンディングです。
不動産投資クラウドファンディングは、不特定多数の投資家から少しずつ資金を集めて、まとまった資金でプロが不動産を購入・運用する仕組みです。不動産投資は初期費用が高額になる点がネックですが、不動産投資クラウドファンディングであれば、少額から不動産投資が行なえます。
ただし、不動産投資クラウドファンディングで得られた利益は自動的に再投資されるわけではないため、自分で再投資する必要があります。自分で忘れずに再投資をすれば、複利による効果はしっかりと得られるでしょう。
複利で運用する際の注意点
複利で投資をする場合には、注意しなければならない点もあります。ここでは注意点を2点紹介します。
資金を動かせない
複利による運用は、利息を元金に組み入れて元金を雪だるまのように大きくしていくことで、大きな利益を得る仕組みです。そのため、元金を途中で取り崩すと、複利による効果が弱まってしまいます。
複利は長期投資に適した方法であり、短期間の投資には向いていません。生活費など短期間で必要になるお金は、複利効果を十分に得られない可能性があります。
元本割れを起こす可能性もある
複利による長期投資は、効率良くお金を増やす方法として知られていますが、投資リスクはゼロではありません。複利によって元金が増えていくことから、仮にマイナスになっても最初の元金を下回りにくい点は強みです。
ただし、一般的な投資では元本保証がないため、場合によっては元本割れを起こす可能性はあります。あらかじめ、リスクを理解しておくことが大切です。
「COZUCHI」なら少額から不動産投資が可能!
複利による運用は、長期間かけてコツコツと積み立てていくことが大切です。複利による運用に向いている投資方法にはNISAやiDeCoもありますが、不動産投資クラウドファンディングもおすすめです。
不動産投資クラウドファンディングのCOZUCHIであれば、都心の物件など個人では手が出せないような高額な不動産にも少額から投資できます。不動産の運用はプロに一任できるため、不動産運用に必要な専門知識も必要ありません。投資後は配当が振り込まれるのを待つだけで良いので、投資初心者の方もはじめやすい、と言えるのではないでしょうか。
まとめ
複利とは利息の計算方法の1つで、利息を元金に組み入れて新たな元金として計算します。利息を元金に入れない単利と異なり、複利では年数が経つほど元金が増えていくため、投資の効果が高くなります。
複利を上手に活かすには、長期投資や、配当があった場合に再投資することなどが大切です。一方で、短期投資では複利効果を十分に得られない可能性があること、長期投資と比較して元割れのリスク高いため、近い将来使う予定のあるお金は運用に注意しましょう。
つみたてNISAやiDeCo、不動産投資クラウドファンディングなどが複利を活かしやすい投資方法です。不動産投資クラウドファンディングを始めようと思っている方は、COZUCHIの利用をぜひご検討ください。
【監修者】
氏名:齋藤 彩(さいとう あや)
所有資格:CFP(Certified Financial Planner)、薬剤師免許
おもなキャリア:急性期総合病院において薬剤師として勤める中、がん患者さんから「治療費が高くてこれ以上治療を継続できない」と相談を受けたことを機にお金の勉強を開始。ひとりの人を健康とお金の両面からサポートすることを目標にファイナンシャルプランナーとなることを決意。現在は個人の相談業務・執筆活動を行っている。