固定資産税のお得な払い方2選
一般的に、戸建て住宅の場合の固定資産税は年間10万円~15万円ほどと推察されます。
固定資産税は、建物の価値低下にともない税額は年々下がるのが一般的(据え置きや上がることもあります)です。しかしそれでも大半の方にとっては負担になるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、お得度の高さで固定資産税の支払い方法を選ぶことです。ここではまず、お得度が高い2つの支払い方法の概要とおすすめポイントを紹介します。
クレジットカード決済
クレジットカードを使った固定資産税の支払いは、専用サイトに必要事項を入力し、カード支払いをするというものです。自治体側で対応していれば、利用できる支払い方法となります。
クレジットカードでの納税のメリットはさまざまあります。おもに自宅や職場から24時間支払い手続きを行なえる点、すぐに現金を用意できないときなどにも利用しやすい点などが挙げられますが、ポイントが貯まる点も見逃せません。
一般のクレジットカードは0.5%程度の還元率なので、例えば、10万円の固定資産税を還元率0.5%のカードで納付すれば、500円分のポイントが付与されることになります。
また、クレジットカードのなかには1.0~1.25%以上の高還元カードもあります。高還元カードは、おもに以下の点が特徴です。
●還元率が一律のカード
●一般的な利用では0.5%程度だが、特定の条件をクリアしたときに、2~5倍になるカード
注意が必要なのは、クレジットカードでの納税には、決済手数料がかかることです。都税であれば1万円につき73円(税抜き)の手数料がかかります。ポイント還元を目的にクレジットカード決済を選択する場合、「付与されるポイント」と「決済手数料」の比較をすることも大切になります。
ただし、クレジットカードを使った支払い方法の詳しいルールは、自治体によって異なります。多くの場合、以下の点で注意が必要です。
●支払いに使えるクレジットカードが限定されている
●カード払いの上限金額が設定されている
●基本的に専用サイトだけ(コンビニなどでのカード払いは不可) など
eL-QR
2023年4月より、地方税統一QRコード(eL-QR)を活用した地方税の納付が可能となりました。
納付書のQRコード(eL-QR)をパソコンやスマートフォンで読み込むことで、以下の方法での納税が可能となります。
●地方税共同機構が管理運営するサイトを介したキャッシュレス決済(クレジットカード・インターネットバンキング・ペイジー発行 など)
●スマートフォン決済アプリを介した決済
eL-QRでも各決済方法に応じたポイントが付与され、下記のような条件によってはポイントアップやポイントの高還元がなされるケースも見られます。
●前月に○円以上の決済を○回以上、かつ月の決済総額○円以上達成時に0.5%アップ
●キャンペーンへのエントリーで、ポイント還元率が最大20% など
これらの詳細は、キャッシュレス決済各社の公式サイトなどをチェックしましょう。
固定資産税における一般的な支払い方式
固定資産税の場合、ほとんどの自治体で「年4回の分割方式」で納期設定しています。例えば、東京23区内の固定資産税・都市計画税の令和5年度の納期は、以下のとおりです。
なお、具体的な方式・納期は、自治体によって異なります。不動産がある市区町村のホームページなどを確認しましょう。
4期分を一括で払うことも可能
その年度の固定資産税を、分割ではなく一括で支払うことも可能です。一括納付の場合、第1期の段階で全額を支払うことになります。
固定資産税の場合、一括でまとめて支払っても基本的には割引などはありません。ただ、一括で早く支払い終えれば、納付忘れによる督促(督促手数料がつく)などの問題は解消できます。経済的に余裕があれば一括で払うのも一つでしょう。
固定資産税にはほかに3つの支払い方法がある
先ほど紹介したクレジットカード・キャッシュレス決済・スマートフォン決済などの支払い方は、固定資産税の支払い方法のなかでも比較的新しいものです。多くの自治体では、このほかにも従来から取り扱う方法で固定資産税の納付を受け付けています。
従来からある支払い方法の場合、基本的にポイントの付与などはできません。ただ、人によっては一部の特徴にメリットを感じることもあります。ここでは、古くからある3つの支払い方法を紹介しましょう。
現金(行政・金融機関・コンビニなど)
現金での納付は、従来から行なわれている最も一般的な方法です。自治体の窓口・金融機関・コンビニエンスストアに納付書とお金を持参し、支払いをします。なお、コンビニエンスストアでは納付期限が過ぎた納付書による支払いができないこともあるので期限はしっかり確認するようにしましょう。また、納付書1枚あたり30万円を超える支払いはできないため、注意が必要です。
現金支払いの場合、決済手数料はかかりません。また、領収書もその場でもらえます。領収書が手元にあれば、納税証明書が必要になったときに領収書を行政窓口に持参することで、早期に発行する自治体が多い傾向です。
口座振替
口座振替も、多くの自治体で導入されている納付方法です。指定の方法で事前手続きを行なうと、各期の税額が自動で引き落としされる仕組みになります。
口座振替の場合、引き落とし前日までに口座にお金を入れておけば、支払い忘れも起こりません。また、現金納付と同様に手数料もかかりません。
ただ、自治体の窓口での納付と比べると納税証明書の発行までに少し時間がかかる傾向があります。残高不足で振替できなかった場合は各自治体によって対応が異なり、再振替が行なわれるか、もしくは、後日届く納付書で現金払いをする流れになるでしょう。
ペイジー(Pay-easy)
ペイジーは、インターネットバンキングやペイジー対応のATMを通じて納付をする仕組みです。
納付書にPay-easyのマークがあれば、パソコンやスマートフォンを使用してインターネットバンキングからの支払いがどこででもできます。また、ペイジー対応のATMから支払うことも可能です。支払い手数料が原則的に無料であることもメリットの一つといえるでしょう。
まとめ
今回は、固定資産税のお得な支払い方を紹介しました。クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済の場合、従来の現金支払いや口座振替では叶わなかったポイントが付与される点が大きなメリットです。
また、キャッシュレス決済各社では、ポイント付与率などがアップするイベントやキャンペーンなども実施中です。情報収集や比較検討を行ない、自分に合うお得な支払い方を見つけてみてください。
【監修者】
氏名:齋藤 彩(さいとう あや)
所有資格:CFP(Certified Financial Planner)、薬剤師免許
おもなキャリア:急性期総合病院において薬剤師として勤める中、がん患者さんから「治療費が高くてこれ以上治療を継続できない」と相談を受けたことを機にお金の勉強を開始。ひとりの人を健康とお金の両面からサポートすることを目標にファイナンシャルプランナーとなることを決意。現在は個人の相談業務・執筆活動を行っている。