学校の授業中、注意が散漫になってしまう子がいます。「集中力がない」といって怒られることが多いですが、本当の原因はほかにあって……。大人になってから仕事をするうえでも集中力は重要です。子どものうちから集中力を養わせるにはどうすればよいのでしょうか? 本記事では、ぞう先生の著書『うちの子、脱・三日坊主宣言!』(総合法令出版)より一部を抜粋・再編集し、子どもの集中を上げる方法についてご紹介します。
クラスにいる勉強が苦手な子の「筆箱の中身」【現役小学校教諭が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

集中力がない子ども

学校で授業をしていると、さまざまな場面に出くわします。例えば、ハサミやのりなどを入れる道具箱から、ふいに何かを取り出して遊び始める子どもがいます。先生の話やクラスメイトの発言を聞くことができず、自分のやりたいことをやってしまうタイプの子です。

 

そんな子には、まず注意をします。片づけるように促すわけです。大概の場合、その場で片づけます。しかし、少し時間が経つとまたハサミを取り出し遊び始める。何度も何度も同じことをしてしまう場合、一度そのハサミを預かります。集中力を切らしてしまう要因となるものは、仕方ないので取り除きます。

 

勉強が苦手な子の中には、筆箱の中身がまったくそろっていない場合があります。鉛筆や消しゴムが入っていなければ、ノートを取ることもできません。そんな子どもには学校の鉛筆と消しゴムを貸し出します。そして親御さんに電話をして、新しいものを購入するようにお願いします。さらにその子には、鉛筆や消しゴムを使ったら必ず筆箱の中にすぐ戻すよう指導します。

 

また、最近では黒板の周りに掲示物を極力貼らないようにしています。なぜなら掲示物に目がいってしまい、黒板に集中できない子がいるからです。

 

このように子どもに集中力がないのではなく、環境が整っていない場合は少なくありません。同じように家でも何かを継続させたい場合、その環境が整っているかを考えてみてください。

子どもに読書をさせたい、運動をさせたいなら…

例えば読書をさせたいと思っているのに、家ではいつもテレビをつけっぱなし。それだとなかなか無理があります。テレビがずっとついている部屋では、映像や音といった誘惑が多く、読書に必要な集中力をキープできません。

 

他にも、運動をさせたいと言いつつ、親はまったく運動しない。これも環境的に無理があります。親がやっていないことを強いるのは、子どもも納得がいきません。また、運動をさせたい場合、子どもが興味を持てるような道具があれば自然に運動を始めることがあります。例えば、ボールや縄跳びなどです。

 

次に、机の上が散らかった状態であったり、机のすぐ横にゲーム機やマンガが置いてあったりしては、勉強に集中できません。小学校の低~中学年のうちはリビングのダイニングテーブル(食卓)で勉強するのもいいですね。食卓は片づけるのが簡単ですし、モノがあまり置かれていないので、誘惑が少なく集中できます。

 

このように、環境を整えることで子どもの集中を助ける手立てをしてあげることも、継続する上で大事であるとおわかりいただけたと思います。

 

【まとめ】

集中できる環境を作る

 

 

ぞう先生

小学校教師