減価償却とは?
会社が業務のために1年以上使用する資産は、「固定資産」に分類されます。また、将来の収益獲得のために、会社の資本を投下して取得される固定資産は、その支出の効果が長期間に及ぶため、費用の前払いとしての性格も持ち合わせています。
こうした点に着目すると、毎期の利益を正しく計算するには、固定資産を取得した事業年度で全額費用計上するのではなく、使用期間にわたって費用配分していくことがむしろ適正な会計処理だといえます。
そして、使用期間にわたって費用化した固定資産の部分を帳簿価額から控除していくことを、減価償却といいます。
減価償却を行うメリットは?
減価償却のメリットは、会計上の側面から考えると、適正な期間損益計算にあり、これにより、各期の利益の平準化を図ることができるという点にあります。
また、税金計算の面における減価償却費のメリットとしては、減価償却費=費用(損金)として考えられるため、法人税の負担を軽減する効果があります。その効果は、会計上において、毎期減価償却費が計上されていくかぎり、翌事業年度以降も続いていきます。
このように、固定資産は会社の財産としての資産価値を有しながらも、収益獲得に寄与するものとして、減価償却という形で費用計上が認められるという点で、節税にも貢献します。
減価償却の対象となる資産
減価償却の対象となる資産には、事業のために使用する建物や建物附属設備、構築物、機械および装置、車両および運搬具、工具、器具および備品などのほか、ソフトウエアなどの無形固定資産も含まれます。
資産の価値や効用が、その使用または時の経過によって減耗するものを減価償却資産といいます。つまり、土地などのように、時の経過によりその価値が減少しないものや、稼働を休止しているものなど、事業の用に供していないものは、減価償却資産には該当しません。
また、法人税においては、使用できる期間が1年未満のものや、取得価額が10万円未満のものも減価償却資産には含まれません。
つまり、その資産の取得価額が10万円以上であっても、使用できる見込みが1年未満であるものや、逆に使用期間を1年以上と見込んでいても、その取得価額が10万円未満であれば、減価償却資産には該当しません。その場合、取得した事業年度において、一括で費用処理します。