列島のお盆休みムードを直撃した、2024年8月8日の「南海トラフ地震臨時情報」。日向灘を震源とする地震発生により、2019年の運用以来初の発表となりました。今回の地震も前触れがなく、地震への警戒感がさらに強まるきっかけになったはずです。そこで今回は、被災時に役立つ防災アイテムや設備を紹介します。
来るかもしれない巨大地震に備えて…最新防災グッズがすごかった (※写真はイメージです/PIXTA)

ディストピア感漂う「携帯完全栄養タブレット」その味は

この携帯完全栄養タブレットは、ポケットに入れて持ち運べるほどの世界最小サイズのパッケージが売り。これで人間が1日に必要な栄養素の3分の1を摂取可能です。水分を含まず完全密閉されているので、賞味期限は1年以上あります。バッグに入れっぱなしにしておき、外出時のいざというときに備えることもできますね。

 

気になる味ですが、実はこちら口臭予防もできる、その名のとおり「タブレット」なんです。これをご飯がわりにするのはちょっとディストピア感が漂うところ。非常食・携帯食と捉えたほうがよさそうです。

 

とはいえ、水も要らず手軽に栄養補給できるのは、いざというとき心強いはず。開発会社はドラゴンボールに出てくる、強力な回復力を持つ「仙豆」にたとえていますが、まさにそんな未来感あるアイテムです。自宅を遠く離れて行動するときの携行品として、また被災時の安心のために家に備えておいてもよいかもしれません。

化学の力で温める「モーリアンヒートパック」

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

特に冬場の被災で辛いのが、「寒さ」です。災害時、低体温のリスクにさらされるのは寒冷地だけではありません。寒さ対策としても、また被災時のQOLを上げるためにも温かいものを食べたいところですが、電気・ガスなどのライフラインが不通では手軽に非常食を温めることもできません。カセットコンロを活用する方法もありますが、場所を問わず火を使わずに温められるアイテムを常備しておくことも、安心を確保するひとつの方法です。

 

おすすめは「モーリアンヒートパック」。キャンプなどに携行している人も多いこちらは、使い切りの発熱剤と繰り返し使用できる加熱袋がセットになったもの。家庭で備蓄されるだけでなく、陸上自衛隊や外国の軍隊、地方自治体や企業備蓄としても採用されています。

 

使い方はとても簡単で、缶詰やレトルト食品などを加熱袋に入れて水を注ぐだけ。水はペットボトルの水でも、雨水でも川の水でもOKです。少量の水に発熱剤が反応し水蒸気が発生、15〜20分ほどで中に入れたものが温まります。

 

レトルト食品のほか、お酒や缶コーヒーの温めや、ゆで卵や蒸し野菜を作ることも。家や車にいくつか常備しておくと、安心につながりそうです。価格は、Lサイズの発熱剤3つと加熱袋1つで1,000円程度(Amazon価格)です。

災害への備えは日頃から

いつ起きるか予測できない災害。そのときへの備えは、自治体任せ・他人任せにはしていられません。自分や大切な家族、地域の人を守っていくためにも、備えが十分か確認したいものです。災害時のアイテムもバラエティに富んできており、また昨今のアウトドアブームもあって平常時でも活用したいものが増えてきました。ぜひ「非常時視点」で、便利アイテムを探してみてください。

 

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<著者>

有馬美穂

ライター。2004年早稲田大学卒業。『VERY』をはじめ、さまざまな雑誌媒体等で主にライフスタイル、女性の健康、教育、ジェンダー、ファッションについての取材執筆を行う。