現金だけを保有することは損
ここでは、資産運用の話に触れたいと思います。ただ、僕は資産運用のプロでもなければ、熱心に資産運用の勉強をしている投資家でもありません。ですので、あくまで僕がどのような考えの元、資産運用を行っているかという話をします。
結論からいえば、生活費の1年分の現金だけを銀行に預け、残りのお金のほとんどは投資信託に毎月積み立てています。
本書では、わかりやすいように「お金を貯めよう」と話してきましたが、現金だけを保有することを推奨しているわけではありません。むしろ、現金だけしか持たないことには明確に反対の立場にいます。理由はシンプルで、現金だけでお金を持ち続けることはほぼ100%負ける資産形成戦略だからです。
単純に考えても、銀行にお金を預けてもらえる金利が年0.1%なのに対して、ものの値段が上昇するインフレ率が年1%なら、物価上昇分を預金金利で吸収できません。たとえば、預金100万円の年利0.1%は1000円ですが、物価が1%上昇すれば100万円のものは101万円になります。お金が年間で1000円しか増えていないのに、ものの値段が1万円高くなっていたら、それはお金が減っているのと同じ意味です。
日本は長らくものの値段が下がるデフレ下にありましたが、人類の歴史を長い目で振り返ればインフレの歴史です。また、日本政府もインフレを目指して政策を進めています(本書刊行2022年11月時点)。そのため、今後の日本の未来を想定するときは、インフレを前提に考えるほうが現実的だと思っています。
つまり、現預金だけではほぼ負けが確定しているので、元本が割れる可能性があるとしても、株式などに投資する必要性が出てくるわけです。とはいえ、残念ながら資産運用で100%お金を増やす方法は存在しません。
インフレに備える手堅い資産運用戦略
一方で、お金を確実に増やす方法はありませんが、長い目で見れば増えている可能性の高い方法は存在します。
それが、低コストで運用を代行してくれる優良な投資信託の中でも、全世界の企業に広く分散された商品を選び、20年や30年といった超長期で積立投資することです。これこそが、インフレに備えた手堅い資産運用戦略になると思っています。
今後、どの国の、どの企業が、世界の人々の暮らしを支えるかはわかりません。ですが、人類がより豊かに暮らしたいと願うかぎりは、どこかの国の、どこかの企業が、その欲望を埋めることになります。だからこそ、全世界の企業の株式に分散投資しておけば、長い目でみれば株価は現在よりも高くなっているはずという理屈です。
そして、自分でコントロールできない株価に一喜一憂しても人生は変わりません。それよりも、生活自給スキルを身に着けることや、やりたくない仕事以外でお金を稼げるように時間や労力をかけたほうが、より豊かな人生になるとも思っています。
なにおれ
ブロガー