「僕にとってブログは好きな仕事ではありません」
会社員として雇用されて働くことに苦しさを自覚した僕は、副業としてブログを運営することを選びました。
当時は、「ブログで本業を越えるくらい稼げるようになるぞ!」と意気込んでいました。そのため、平日は毎朝5時に起きて2時間記事を書く。出社するギリギリまでパソコンを触り、会社は定時ピッタリに退社。食事とシャワーを手早くすませたら、18時から21時までまたブログを書く。休日には家から一歩も出ずに、朝5時から夜までぶっ通しで記事を書く。そんな生活を2年間続けました。
「やりたくない仕事はもうやりたくない」そんな負の感情が、自分を突き動かすエネルギーになっていました。気がつけば1ヶ月の中で、家でブログを書いている時間は会社にいる時間よりも長くなっていました。
ただ、それだけの時間を副業につぎ込んだのだからたくさんのお金を稼げたかというと、全くそんなことはありません。たったの数十円を稼げるようになったのは、ブログをはじめてから数ヶ月が経ったときでした。会社を辞めることを決めたときでさえ、本当に最低限生活ができるくらいの稼ぎしかなかったと思います。
「じゃあ、ブログは失敗だったのか?」というと、全くそんなことはありません。僕はブログを書き始めるまで、働いている時間が充実感のある時間になるなんて全く想像していなかったからです。
僕にとってブログは好きな仕事ではありません。働く場所や時間に縛られず、他人に指示されることもなく、極力ひとりで仕事を完結できる仕事を考えたとき、ブログしか思い付かなかっただけです。いまでもブログに関わる時間の90%は、「大変だなあ」と感じます。それでも残り10%の中に、大きなよろこびが隠れていました。自分が手間や労力をかけて書いた記事を読んでくれる人がいて、たまに感謝の言葉をもらえる。それが本当にうれしかったのです。
会社員時代は自分のやっている仕事に意味を見出せず、ずっと心に引っかかりを感じていました。仕事はお金のためと割り切れたらよかったのですが、1日8時間以上も意味のないと感じることに時間を費やす。それは、僕にとって、苦痛以外の何物でもありませんでした。
だからこそブログは、面倒くさいと感じる作業がほとんどでも、自分の費やした時間で誰かが少しでもよろこんでくれると思うと、それが本当にうれしかったのです。気がつけば外に遊びに出かけるよりも、ブログを書いている時間のほうが心が満たされると感じるようになっていました。