部屋が散らかる原因のひとつが、持ち物が多すぎることです。思い出のあるものやいつか使うかもしれないものは、なかなか捨てる決心がつかないという人も多いでしょう。そこで、手放すものと残しておくものの判断基準について、お片づけ習慣化コンサルタントの西﨑彩智氏が解説します。同氏の著書『部屋がゴチャゴチャで、毎日ヘトヘトなんですが、二度と散らからない片づけのコツ、教えてください!』(すばる舎)よりみていきましょう。
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手放すときは「今使うかどうか」を考える
ゴミは「成果物」!
私は「捨てる」という言葉はあまり好きではありません。「捨てる」という言葉には、「投げ出す」や「放り出す」というイメージがあって、前向きではないような気がするからです。
でも、現実的に片づけに取り組むためには、とにかく「不要なモノを手放す」という作業から始めなければなりません。ゴミ袋を用意して、ひたすらゴミを集めていく作業は、ときに気が遠くなるような作業に思えることもあるでしょう。
そんなときは、ご自身が出しているモノは「ゴミ」ではなく「成果物」なんだと発想を転換させてみましょう。
手放す基準は「描いた未来」に必要かどうか
「ゴミは成果物」だと思ってよい、私はそうお伝えしました。でも、「成果」というからには、手放して良かった、と思えなければならないのではないか、と私は思っています。
そこで大切にしなければならないのは、「残す」「手放す」の基準をどこに置くかではないでしょうか。
私はその基準を、「描いた未来に必要かどうか」に置くことにしました。
まず手をつけたのは、「いつか捨てようと思っていたモノ」と「今、明らかに使っていないモノ」。これらに関しては、「惰性で残しているモノ」がほとんどだからです。
私の場合は、離婚したとき、上の子が高校生、下の子が中学生になっていました。もう使わないのに、なんとなく取ってあった小学生のときに使っていた教科書や学用品などは全て捨てました。
離婚して、一生懸命仕事をしていかなければならなかったので、それまでのような「丁寧な暮らし」はできません。ホームベーカリーやジューサーは、手放しました。たくさんあった製菓材料も全て捨てました。そのときの私には、手作りのお菓子を作るような時間と心の余裕がなかったから。子どものために、ちょっとしたモノを作ることも今後はないだろうと考え、裁縫道具やミシン、布なども全て処分しました。
「もったいないとは思わなかった」と言えば、嘘になるかもしれません。でも、基準は、とにかく「今、必要かどうか」。
「いつか使おうと思っている」「いつか使えるかもしれない」、でも、その「いつか」はいつ来るかわかりません。逆に言えば、そういう「いつか」が来たら、そのときに、必要だと思えば、また買えばいいんです。
もしかしたら、来ないかもしれない「いつか」のためにスペースを取るのは、それこそ「もったいない」ことだと思いませんか?
ご自身がどのように暮らしていきたいのか、どのような生活を送りたいか、「描いた未来」に必要なモノだけを残しましょう。
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「こんな暮らしをしたい!」というイメージに合うモノだけを残そう