穏やかな老後生活を送っている夫婦に届いた「赤い封筒」

中西達也さん(仮名・72歳)とその妻、佳織さん(仮名・72歳)は、定年退職後、穏やかな老後を送っていました。達也さんは長年、中小企業の経理部で働き、几帳面な性格から経理の仕事は天職だと感じていました。65歳で退職し、その後は健康に気をつけつつ、毎朝公園で散歩を楽しむ生活を送っています。

中西さん夫婦の生活は安定しており、月々の年金収入は夫婦で33万円。比較的余裕のある年金額で、生活に必要な経費を賄いつつ、毎月3万円から5万円を貯蓄に回すことができていました。家も自己所有で、住宅ローンの支払いはすでに完了しています。

中西さんの息子の元気さん(仮名・38歳)は、夫婦で中西さんと同じ家で生活しています。高校卒業後、元気さんは配送業で働き始め、その後は個人事業主として独立します。元気さんは高校でラグビー部に所属し、今でも趣味で社会人ラグビーを続けており、身体を動かすことが好きな性格です。

こうして、中西家は二世代が一緒に暮らす、充実した生活を送っていましたが、ある日、元気さん宛てに届いた一通の郵便が、一家の日常に予期せぬ変化をもたらすこととなります。