息子宛てに届いた「赤い封筒」

ある日のこと、息子宛てに年金機構から赤い封筒が届きました。中西さんは心配し、息子の元気さんに尋ねます。

「この封筒は国民年金の催促状じゃないのか? もしかして未納なのか?」

元気さんは返答します。

「独立してから余裕がなくて、ずっと払えてなかったんだ。でも、今月は、収入が多いから払えるから大丈夫」

それを聞いて安心した中西さんは、「わかった。じゃあ期日までに納付できそうだな」と言って、この話題は終わりました。

しかし、中西さん宛てに年金機構からの「督促状」が…

その後しばらくしてから、今度は中西さん宛てに、日本年金機構から郵便が届きました。封を開けると、そこには「督促状」の文字が。驚いた中西さんは、妻を呼び、「おい、これなんだ!?」と慌てます。

中西さん夫婦は、これまで年金の納付を滞ったことはありません。そして、現在も年金を受給しており、「督促状」を受け取るような要因は思い当たりません。「私ら、何か悪いことしたんでしょうか?」といぶかしむ妻。

気を落ち着けて、よくよく督促状の内容を読んでみると、そこには、元気さん夫婦の80万円を超える国民年金の未納分と、最終納付期日が記載されています。さらに、未納が続けば、財産差し押さえの対象となるという文言も記載されていました。

中西さんは元気さんに問いただします。

「俺あてに国民年金未納の督促状が届いたぞ! この間納付すると言っていたじゃないか!」

元気さんは答えます。

「急な出費が重なってしまって、納付できなかったんだ。でも、問題ないよ。まとまったお金が入ったから、あとで納付しておく」

中西さんは心配でした。しかし、息子が納付すると言っているので、それ以上は追求せず、話は終わりました。