【シチュエーション】


新入社員として入社したとき「メモをとれ」と言われたので、いまも実践している。


マーケティング脳がない人:メモをとることの意味は考えず習慣として実践している。


マーケティング脳がある人:ときどきメモをとることの意味を見直し、実践法も修正していく。

ノウハウを活かせる人と活かせない人の違いは?

私は起業家を対象にしたスクールで、さまざまなノウハウを教えています。たとえばSNSの集客では、読み手のペルソナ(人物像)を考え、その人の役に立つ情報を発信するように、生徒にアドバイスするわけです。ところが、同じノウハウを実践しても、人によって短期間で結果が出せる人と、がんばっているのに時間がかかってしまう人がいます。


前者は、ノウハウの一つひとつを〈点〉でとらえるのではなく、〈点〉と〈点〉がつながった〈線〉に見えているのだと気づきました。私は可能なかぎり〈点〉が〈線〉になるようにお話ししていますが、実際のビジネスの現場では、教える側がそこまで意識しているケースは多くないでしょう。


たとえば、会社で上司や先輩が新入社員に対して「話を聞くときはメモをとれ」とアドバイスするとします。新入社員は言われたとおり、上司に呼ばれたらメモ帳と筆記用具を持ち、話を聞こうとするでしょう。しかし後日、「◯◯の件どうなった?」と聞かれたのに、「何の件でしたっけ?」と聞き返してしまう。新入社員は「メモをとる」というノウハウは実践しましたが、それを〈点〉としてとらえていただけでした。


〈線〉になっていれば、メモをとったあと、事あるごとに見返したり、メモにもとづいて予定をスケジュール表に書き込んだりしたはずです。新入社員であればしかたがないかもしれませんが、実際は上司が〈線〉にするところまで教えてくれる会社は少ないのではないでしょうか。