【シチュエーション】

会社をやめて起業しようと考えているが、調べてみるとさまざまな障害がある。

マーケティング脳がない人:「うまくいきそうもない」と不安になりあきらめる。

マーケティング脳がある人:「ではどうする?」と考え解決策を練る。

ビジネスにおいては頭が良い人ほど愚かである

私はマーケティングの分野で起業しました。起業したその日から経営者や社長になるわけですが、自分が特別に才能にあふれていて高い技能を持っている、などとは思っていませんでした。それに、それまでの人生もうまくいっていなくて、成功する自信もありませんでした。事業のなかでもさまざまな困難を経験しました。


一方で、世のなかで起業するような人は、私と違って「かしこい」「頭が良い」人たちなのだと思い込んでいました。莫大な利益が期待できる新規事業のアイデアを持っている。大勢の人から信頼を得て人脈をどんどん広げている──それが起業家である、とそんな想像をしていました。


私が起業家の端くれとしてそんなすごい人たちの輪のなかに入っていっても良いのか、正直迷いもあったのです。しかしながら、実際に起業しようとしている人たちとたくさん会ううちに、当初の想像とは少し違っていることに気がつきました。たしかに起業を志す人たちは賢くて、頭が良い人ばかりです。


でも、頭が良いからこそ、いろいろ考えすぎてしまい、そこで思考を停止してしまうのです。起業をあきらめてしまったり、起業したとしてもしばらくして事業をやめてしまったりして、結果的にビジネスがうまくいかなくなってしまいます。


優秀であるはずなのに、「自分は起業に向いていない」と思ってしまう。思考を停止するのと同時に行動も停止してしまう。そういう人は、頭が良いのにその良さを活かしきれていないという意味で「優秀な人ほど愚かである」ともいえます。