【シチュエーション】


職場で上司に呼ばれ叱責された。機嫌が悪いのか、内容は理不尽なものだった。


マーケティング脳がない人:嫌な気分のまま一日を終える。


マーケティング脳がある人:「これは〝労災〟が下りる」とワクワクしながら一日を過ごす。

職場で嫌な目にあったら〝労災〟が下りる

私がかつて務めていたのは、いわゆる〝ブラック企業〟でした。毎日のように理不尽なことが起こりましたが、起業したいという夢があり、すべてを吸収しようという考えがあったので、やめようとは思っていませんでした。そんな会社に勤めているとき、私はある工夫をしていました。それは「セルフ労災制度」。自分にふりかかる災難に「大」「中」「小」のランクをつけ、嫌なことがあるたびに、ランクに応じて自分に〝労災〟と称したご褒美をあげるのです。


といっても、〝労災〟に大金をかける余裕はありません。そこで、「小」はレンタルDVDを1本借りて良いことにする。「中」ならモスバーガーのハンバーガーを食べる。「大」は2000円まで書籍を買う、ということにしました。2000円の出費は痛手でしたが、会社をやめて収入が途絶えるよりはマシだと考えたのです。


たとえば上司から何か小言を言われたとします。相手の言葉を聞き流しつつ、頭のなかで「ああ、これは『小』だな」「これなら『中』までいける」「もっとひどいことを言えば『大』になるのに」などと算段を立てていました。「もっとこい! そうしたらハンバーガーと本までいけるぞ」と、内心ワクワクすることさえありました。