部屋が散らかる原因のひとつが、持ち物が多すぎることです。思い出のあるものやいつか使うかもしれないものは、なかなか捨てる決心がつかないという人も多いでしょう。そこで、手放すものと残しておくものの判断基準について、お片づけ習慣化コンサルタントの西﨑彩智氏が解説します。同氏の著書『部屋がゴチャゴチャで、毎日ヘトヘトなんですが、二度と散らからない片づけのコツ、教えてください!』(すばる舎)よりみていきましょう。
暮らし方を考えて、残すモノを決める
各部屋ごとに「暮らしのイメージ」を描こう
明らかな「不要品」を手放すことができたら、今度は、部屋ごとに、スペースごとに、自分が理想とする「暮らし方」を考えていきましょう。
過去、私が自分の家を片づけるときに心がけたことは、「期待は捨てよ、希望は持て」。自分がストレスを感じるような「こうあるべき」というような期待は捨てて、「こうなったらいいね」という希望を大切にすることでした。
ここで難しいのは、「理想とする暮らし方」は人それぞれなので、いわゆる「手放し方の必勝法」は存在しないということです。
ある人にとって必須なモノが、別の人にとってはガラクタに過ぎない。だから、「これは残しましょう」「それは捨ててください」というマニュアルは役に立たないことが多いのです。
例えば、キッチンの場合は……
ここでは、キッチンを例に考えてみたいと思います。
離婚当時の私は「仕事にコミットする生活を送る」と決めました。そこでパンは家で焼かないだろう、と考えたのでホームベーカリーは不要だと判断しました。また、子どもが小さいときには、よくお菓子作りをしていたので、製菓材料がたくさんあったのですが、お菓子を作る余裕もないし、そもそも、もう子どもたちが母親のお手製お菓子を昔ほどは喜んでいなかったので、製菓材料も処分しました。
一方で残したモノは、ホットプレート。お好み焼き、焼きそば、焼き肉……、手早く、簡単に家族全員で食事をするには、ホットプレートは必要だと思ったからです。
小さいお子さんがいて、お母さんとよくキッチンに立っているご家庭の場合は、お子さんも使えるようなピーラーや、ハンドミキサーなどは必要ですよね。
最近では、リモートワークも増えてきました。ご自宅で仕事をする機会が多く、「早く料理をして、片づけの時間も減らしたい」という場合には、食器の数を最低限まで減らす、というのも良いのではないでしょうか。「大皿だけ残して、食事はワンプレートで」という考え方もあると思います。
このように、キッチン一つとっても、それぞれのご家庭で描くイメージによって、不要なモノ、必要なモノは全く違います。
この「自分に必要なモノだけ」という基準は、「手放す」場合だけでなく、「手に入れる」ときの基準としても当てはまります。つまり、「必要なモノだけを買う」ということ。「手放す」にしても「手に入れる」にしても、まずイメージすることが大切なのです。
<CHECK>
モノを買うときも手放すときも、「暮らしのイメージに合うか?」を考えよう
西﨑 彩智
株式会社Homeport 代表取締役
お片づけ習慣化コンサルタント