震災の影響で新卒採用が白紙に…33歳女性の“最初のつまずき”

<登場人物>

永島倫子(33歳)

出身地:愛知県豊田市/現住所:埼玉県志木市/最終学歴:大学卒

職業:アルバイト掛け持ち/雇用形態:非正規/収入:月収約17万円

住居形態:賃貸アパート/家賃:5万3000円

家族構成:独身/支持政党:特になし

最近の大きな出費:冬物衣料品のクリーニング代(3620円)

派遣先を雇い止めされて失職したのが20年8月。新型コロナの影響は大きく、派遣会社から次の派遣先の紹介はない。仕方ないからアルバイトをしているが生活は日に日につらくなっている。

「半年先はどうなっているか考えるとブルーになります、本当に先が見えないから。わたし、何をやっても上手くいかないんです」

大学を卒業したのは11年3月。最初のつまずきはこのとき。就職先は決まっていたが東日本大震災の余波でまず入社延期ということにされてしまった。これがケチの付き始めだった。

「貨物運輸の会社だったのですが、4月入社から10月入社に半年延期するということにされたんです」不安は大きかったが、望みを捨てずに飲食店や物販店でのアルバイトで暮らしていた。そんな中、業績の回復が遅れているので採用は白紙撤回するという紙切れ1枚で望みを絶たれた。

「ハローワーク、ヤングハローワークに通いましたが、良さそうな会社や仕事は少数で応募しても不採用の連続でした」

フリーターはまずい…派遣社員に方向転換

フリーターはまずいと思い、方向転換して事務系派遣の道へ。スタッフ登録したら1ヵ月もしないで派遣先が紹介された。

「業界大手の派遣会社だけあってクライアントは大手著名企業が多かったです。自分の出身大学を考えたらまず入社できないところばかりだったから、何か得したような錯覚を覚えました」

最初の派遣先は非鉄金属の大手で、職場は憧れの丸の内のオフィス。「担当業務は文書ファイリング、データ入力、伝票作成など一般事務職の仕事です。これは派遣先が変わっても同じでした」