(※写真はイメージです/PIXTA)

高所得者であれば、節税目的の不動産投資に興味がある人は多いでしょう。しかし、区分マンションや中古一棟アパートで投資を行い、散々な目に……。そんな失敗をしてしまう人は決して少なくありません。一方で、不動産投資により資産形成・防衛に大成功する人もいます。両者にはいったいどのような違いがあるのでしょうか? 本連載では外資系サラリーマンの副業として不動産投資をスタートさせたのちに成功を収め、独立に至った原宿不動産株式会社の渡邉卓也代表にお話を伺いました。

【成功者に聞く】渡邉代表が不動産投資を始めた理由

これまで不動産に投資した総額は数十億円に上ると伺っています。そもそも不動産投資を始められた理由を教えてください。

 

「いまから15年ほど前の話です。当時私は外資系のサラリーマンでした。お給料は悪くありませんでしたが、終身雇用制度がないため『いつクビを斬られるかわからない』という恐怖やプレッシャーを常に抱えていました。サラリーマンとしての収入のほかに、もうひとつの柱が必要だと考えたんです」

 

渡邊卓也代表
渡邉卓也代表

 

「レバレッジを利かせ、キャッシュフローで運用する」という不動産投資法を推奨されていますが、投資をスタートさせたときから考え方は変わりませんか?

 

「不動産投資を本格的に検討していた2005年ごろ、著名な投資家であるロバート・キヨサキ氏の著書を読みました。ロバート氏は『不動産投資は月々のキャッシュフローで運用していくものだ。キャピタルゲインは、タイミングが合ったときに得られればいい。節税は儲かって仕方がなくなったときに初めて考える。この順番を間違えてはならない』と説かれていて。大きな影響を受けましたね」

 

その後、脱サラとFIREを実現されています。秘訣はどこにあったとお考えですか?

 

「金融機関といい関係を築くことです。銀行さえ味方につければ、成功は加速します。今年、マイナス金利の時代は終わりを告げましたが、それでも日本の金利が低いことに変わりはありません。たとえば、アメリカと比較しても差は非常に大きいですよね。過去には頭金ゼロのローンすらあったのです。日本人に生まれ、日本で生活を営むのであれば、借りない手はありません。貯蓄の多くない人がお金持ちになるには、不動産投資が最適なのです。
 

そして、目標設定も非常に大切だと考えています。私の場合は『インカムゲインが年収の2倍になったら、会社を辞めよう』と決めていました。だからこそ頑張れたし、いまがあります」

 

資産形成法として向き合う不動産投資

渡邉代表が本格的に不動産投資をスタートされた時期に比べ、さまざまな状況が変化しています。どのような意見をお持ちですか?

 

「フルローンが可能な物件が見当たらなくなりましたね。たとえば1億円の物件があるとして、フルローンが可能でしたらすぐに購入を決断できます。しかし現在は少なくとも、10%前後の自己資金を用意しなくてはならない。1,000万円といえば大金ですから『用意に時間がかかる』というケースも出てきます。そのため、スピーディな成功を収められる人の数はどうしても少なくなりますね」

 

金融機関の融資基準が厳格になった理由として、2018年のスルガショックが挙げられます。そもそも不動産投資は、複数の物件を購入して運用しないと、成功を実感しにくいものなのでしょうか?

 

「『なにを目的に投資するのか』によって、成功の実感も変わると思います。『毎月30万円程度の家賃収入が得られればいい』という人もいれば、昔の私のように「本業の年収の2倍を達成したい」という人もいるでしょう。そのようななかで、私が代表を務める原宿不動産では『不動産投資は最低5億円から』というスローガンを標榜しています」

 

5億円という額に、驚く人がいるかもしれません。しかし渡邉代表は金融機関からの融資を念頭に入れたうえで、目標を設定されているわけですよね。

 

「そうです。ざっくりとした合算ですが、総額5億円程度の物件を運用していれば、年間に1,000万円程度のインカムゲインを見込めるようになります。そのぐらいのお金を得て、初めて『不動産投資による資産形成』の意味や旨味を実感できるのではないでしょうか。もちろん年収や自己資金の額によってスピードは変わってきますが、弊社は『数年のあいだに目標達成したい』という方を、サポートしていきたいですね」

 

 

多くの人が陥る「不動産投資の落とし穴」

「不動産投資に失敗談はつきものなので、なかなか本格的に着手できない」という声もあります。どのようにお考えですか?

 

「実をいうと私も20代のころ、バブル末期に不動産投資で失敗したことがあります。転売目的でキャピタルゲインを得ようとしたのですが、当時の大蔵省(現金融庁)が金融機関へ不動産融資の総量規制を通達した影響を受け、目論見や計画が崩れました。周囲からはバカにされるし、数百万円単位の借金を作ってしまったんです。その後しばらく、不動産投資には近寄りませんでした」

 

そんな失敗もご経験されているんですね。確かに不動産投資は、経済の動きや政策によって予期せぬ展開をみせることがあります。具体的に、どのように対峙すべきなのでしょうか?

 

「不動産投資をめぐる状況は、7年から10年単位で変化しています。良いときもあれば悪いときもあるといった具合ですが、どんな状況下でも優良物件の価値は落ちません。ですから、投資先を堅実に見極めることが大切ですね。また、いずれ不動産投資を始めたいと思っているのであれば『いまはあまり状況がよくないから』と先延ばしにするより、早めに着手して市場に対する感性を磨いたほうがいい。経験値が高まれば、市場の波に惑わされることも少なくなります」

 

原宿不動産は、不動産投資にある程度の野心を持つ人をサポートしていらっしゃいますが、そうした人たちが陥りやすい失敗があれば、教えていただきたいのですが。

 

「不動産投資をサポートする企業やサービスは、数多くあります。その内容や売り口上はさまざまなので、投資家自身の目的に合致しているのか、よく確認しなくてはなりません。たとえば近年『地方の空き家を購入し、DIYで改築して再販する』といった動画をよく見かけますが、日々の仕事に忙殺されているサラリーマンに、そんな時間の余裕はないはずです。

 

また、『税金対策』『節税』といったキーワードは非常にキャッチーですが、本当に意味ある投資なのか、自分自身の財政状況と照らし合わせなくてはなりません」

 

節税を目的にたびたび購入されるのが築古物件ですよね。

 

「そうした現状を踏まえ、弊社は『最も意味のある不動産投資』として、一棟RCマンション投資を提案しております」

 

投資家目線で、投資家の状況に合う物件情報を提供すると評判の高い、原宿不動産。渡邉代表が規模の大きな一棟RCマンション投資を推奨するのは、なぜなのでしょうか? 

 

次回はその理由や、渡邉代表が実践してきた投資手法の具体的な中身を解き明かしていきたいと思います。