加工食品や添加物に多い無機リンは極力避ける

・無機リンは、「老化促進物質」として問題視されている

すでにお伝えした通り、加工食品にはリンが多く含まれています。そもそもリンには、肉や魚、卵、乳製品、豆類食材にもともと含まれている「有機リン」と、食品添加物に使われている「無機リン」の2種類があります。そして後者の無機リンは、ハムやベーコン、練り物、プロセスチーズ、インスタント麺、缶詰、ファストフードなどの加工食品に、食品添加物として使われているものです。


無機リンは有機リンに比べて腸から吸収されやすく、血液中のリンの濃度(血清リン濃度)が上昇しやすくなります。とくに腎機能の悪い人は、無機リンが多く入っている食品添加物入りの加工食品は避けたほうがいいでしょう。


「老化促進物質」として問題視されている無機リンは、カルシウムと結合することで血管の石灰化を促します。石灰化すると血管や臓器が硬くなりはじめ、動脈硬化が急速に進み、心筋梗塞や脳卒中といった血管疾患を引き起こしてしまうのです。

・食品成分表示を見て、食品添加物を確認しよう

とくに、自分で調理しない食べ物には、リンが多く含まれていることが多いため、外食や加工食品を摂る生活を続けている人は、注意が必要です。加工食品の裏面には食品成分表が貼られていて、原材料表示に「リン酸塩」「pH調整剤」といった名前が記載されていないか、ぜひ確認するようにしましょう。


ただ、ほぼすべての加工食品に含まれているので、入っていないものを見つけることは困難です。代表例は、コンビニ食品です。簡単に食べられる食品には、かならず理由があるのです。おいしくて、調理しやすくて、保存が利く食品には、それなりの添加物が加わっていることを忘れないようにしましょう。


また、これはよく知られた話ですが、食品添加物には発がん性物質が含まれていることも多いので、できるだけ口にするのを避けるに越したことはありません。加工食品を控えたほうがいいのは、リンを摂取しないためだけではないことを、ぜひ覚えておいてください。