気に入った物件を見つけ、気に入った家具を配置したあと、頭を悩ませる人が多いのが「デッドスペース」です。ものを置くには狭いし、位置を変更してもまた別のデッドスペースが生まれる……こうした悩みの解決策はあるのでしょうか。『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)著者で一級建築士/模様替えアドバイザーのしかまのりこ氏が、事例をもとに「デッドスペースの活用法」を紹介します。
デッドスペースの奥行に合わせた棚で、空間のムダなく見た目も綺麗に
そこで、このデッドスペースを使い、家族の小物やカバン・ノートなどが片付くリビング収納を造ってみました。
まず、柱やパイプシャフトの奥行は40センチほどでしたので、その奥行に合わせたリビングボードと吊戸棚を、壁に寄せて取り付けました。リビングボードと吊戸棚の幅は、柱からパイプシャフトまで、すき間のない幅にすると、空間の無駄もなく見た目がきれいにできます。
また、リビングボードの高さは使う人の身長により異なりますが、立っているときに使いやすい85センチにしました。
吊戸棚の高さは天井の高さにより70~90センチと多少異なります。こちらのマンションは天井の高さが240センチだったため、吊戸棚の取手高さが160センチ程度になるように天井から80センチの高さに取り付けました。
リビングボードには棚を付け、文具や雑貨、家族1人1人の整理ボックスを置きました。この整理ボックスがあることで、各自の物の収納場所ができ、片付けがしやすくなります。
賃貸の場合は、市販の突っ張り棚でもOK
リビングボードや吊戸棚ですが、造りつけ家具のため、賃貸の場合は取り付けが難しい場合があります。その場合は、市販の突っ張り棚や、簡単なDIYで作成することも可能です。
突っ張り棚は、大きいもので幅が180センチ程度のものがありますので、大きめの壁面にも簡単に棚が作れます。またディアウォールやラブリコという商品を使えば、壁や床を傷つけずに、[図表5]のような収納棚ができます。
部屋のデッドスペースを使ってリビング収納などを造ることで、無駄であった空間を収納空間に活用することができます。
しかま のりこ
COLLINO一級建築士事務所
一級建築士/模様替えアドバイザー