天井の照明はほとんどの場合、家の新築時にあらかじめ設置されています。そのため、部屋の模様替えを検討する場合、どうしても“照明ありき”で考えなければいけません。しかし、一級建築士/模様替えアドバイザーのしかまのりこ氏は、著書の『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)のなかで、そんな悩みを一発で解決する“お役立ちアイテム”を紹介しています。詳しくみていきましょう。
「持ち家」でも「賃貸」でも簡単に設置可能…部屋を“おしゃれな空間”に変えてくれる〈照明器具〉とは?【一級建築士が解説】
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天井照明の位置を気にせずに“おしゃれな部屋”をつくる方法
テーブルと照明の位置がずれる場合はダクトレールを利用する
部屋の模様替えは、空間を効率的に使いやすくしてくれると同時に、気分を一新できます。しかし、快適になる反面、ときには、天井に設置されている照明の位置がずれてしまうなどの問題も発生しやすくなります。
なぜなら、天井の照明は、家の新築時にあらかじめ設置されているもので、多くの場合、リビングやダイニング・キッチンなど、それぞれの空間の中心に設置されているからです。
そのため、例えばダイニングテーブルやソファなどの家具の位置を、部屋の中心からずらして設置すると、照明と家具の位置がずれてしまうため、上手く照明があたらず、食事や作業などに支障が生じてしまう場合があります。
照明の位置ずれは、ダクトレールで解決
このように、家具と照明の位置がずれてしまうという問題は、購入する家具の大きさやレイアウトにより頻発しやすいものです。
しかし、ずれてしまった照明の位置は、ダクトレールというツールを使えば、大掛
かりな工事をすることなく、簡単に適正な位置に移動できます。
このダクトレールですが、別名ライティングレールともいわれ、バー状のレールの
形をしたものです。レールの内側に電流が通っていて、レール上のどこの位置でも照
明の取り付けが可能です。
ダクトレールは、もともと店舗や舞台などで使われているものです。
しかし、最近は家庭でも使用する方が増え、簡易取り付けのダクトレールというものも販売されています。
この簡易取り付けのダクトレールですが、天井に引っ掛けシーリングや埋め込みローゼットなどの照明金物が設置されていれば、取り付けが可能です。
取り付けられる照明器具の数ですが、こちらもメーカーにより多少のばらつきがありますが、LED100W型照明が6個~8個程度取り付け可能です。
注意点としては、レールに取り付ける際には、引っ掛けプラグなどの専用の取り付け部品をあいだに挟む必要があることです。
また、レールに取り付けられる照明器具の重さに制限があるため、シャンデリアなどの重量感のある照明器具は取り付けることができません。
そのほかにも、照明の移動距離が1メートル以上などの長い場合は、簡易取り付けのダクトレールでは対応できないため、長さのあるダクトレールを購入する必要があり、その場合は電気工事も必要になります。