人生100年時代、金銭面でも“生きがい”の面でも、「定年後のキャリア」の重要性が増しています。定年を控えた会社員は自身の「定年後のキャリア」をどのように考えているのでしょうか。金澤美冬氏の著書『おじさんの定年前の準備、定年後のスタート 今こそプロティアン・ライフキャリア実践!』(総合法令出版)より、現役世代の“生の声”をみていきましょう。
約半世紀勤めた会社で定年間近の64歳男性、1年前に執行役員を役職定年→継続雇用も…65歳以降は再雇用を選択しない「給与以外」の意外な理由
百中さんが思い描く「定年後の自分」とは
――今お聞きした定年後のイメージは、ある程度の期間をかけて考えていらっしゃったのでしょうか。
百中:いえ、当初はちょっと違ったんですよ。昨年、父が亡くなったのですが、この前後は“老活[おいかつ]”ということにテーマを絞ったサポートの仕事ができないかと考えていました。亡くなる直前、あるいは体が動かなくなってから様々なことを整理したり考えるのではなく、「前もって計画的にやりましょうよ」という活動を支援していきたいと思っていました。
しかし、50代の方にとっては、まだこういったイメージがしにくいようで想定していたペルソナ(人物像)が少ない。
「では、今の50代の人たちはどんなことを考えて、どんなことをやりたがっているのか」ということを知りたくて、おじさんLCC※の門を叩き参加させていただくようになりました。
※おじさんLCC:定年前後の活動を考える、男性・女性のためのライフキャリアコミュニティ
参加されている全員の方とお話をさせていただいたわけではないですが、おおむね「60歳になったら会社の延長雇用を受けずに、自分自身で生計を立てるなど、新たな道を探りたい」といった人が圧倒的に多い。
私自身、コーチングの勉強をしていることもあり、老活サポートではなく「自分らしさ」を一緒に見つけてセカンドキャリアに導いていくようなサポート事業ができれば良いなと思っています。その中で老活のニーズがあれば含めるというカスタマーファーストで。
――そのサポートの仕事を目指すにあたって、目下の課題はどんなことでしょうか。
百中:私自身が実践を積んでいかなければいけないこと。自分自身は普通のサラリーマンの中では様々な体験をしてきているし、コーチングも学んでいる。でも、サポートの実践経験はまだまだ足りないので、こういった経験を増やしていかなければいけないと思っています。
金澤 美冬
おじさん未来研究所 理事長/プロティアン株式会社 代表
株式会社YEデジタル 社外取締役