週刊誌などでは、たびたび薬や健康食品についての特集が組まれています。そこでは、特定の薬について「この薬は危険」「飲んではいけない」などと謳われています。しかし、東大卒の医師で『老害の壁』(エクスナレッジ)の著者・和田秀樹氏は、こうした特集の信ぴょう性に疑問符がつくといいます。その根拠について、詳しくみていきましょう。
学会の“怪しいウワサ”…医学部教授という肩書きが「信用ならない」ワケ【東大卒医師・和田秀樹が暴露】
「ガイドライン」を作成した専門家の“怪しいウワサ”
『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015』を編集しているのは、日本老年医学会です。
この学会の元理事長である元国立大学医学部老年科教授は、骨粗しょう症の専門家なのですが、かつて高級外車のベンツとジャガーを交互に乗り回し、広尾のガーデンヒルズに愛人を囲っていたことを『週刊新潮』に実名入りで書かれたことがあります。
『週刊新潮』の記事がデタラメなら、名誉毀損で訴えればよいのですが、この教授は訴えていないので、記事が事実である可能性が高いのではないかと言われています。
おそらく、この教授は製薬会社から過剰な接待などを受けて豪遊し、その見返りとして骨粗しょう症の薬に便宜をはかるため、「学会のドン」とも言われた自らの権力を発揮し、安全な薬として掲載させたのではないでしょうか。
その一方で、自分の専門外であるうつ病の薬は危険な薬物として掲載されているのですから、このガイドラインの信憑性にはかなりの疑問符がつきます。
これは学会というものがいかに信用できないかの一例です。医学の学会がお墨付きを与えているからといって安全な薬とは限らないのです。
「医学部教授」の肩書きは信用ならない
ちなみに、大学病院医学部の「教授」、といった肩書きは何の信用にもなりません。そもそも、医学部の教授というのは、人間をほとんど診ないで、動物実験ばかりやって薬の研究だけをしている医者が圧倒的に多いのです。そんな医者が、何度かドラマ化された『白い巨塔』(この主人公は手術の達人でしたが)のように、多数決で教授に選出されています。
全国で82ある日本中の医学部の精神科の教授を決める選挙では、動物実験ばかりやっていた医者と心のケアをちゃんとやってきた医者が毎回戦っていますが、不戦敗も含めて心のケアの医者は何と82連敗です。肩書きというのはその程度のものだと思ってください。
和田 秀樹
精神科医
ヒデキ・ワダ・インスティテュート 代表