俳優の吉高由里子さんが主演する大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合・午後8時)の第26回「いけにえの姫」が6月30日(日)に放送され、出演者の撮影現場からのコメントが聞ける「君かたり」が公式サイト内で更新された。今回は、藤原道長を演じる柄本佑さんのコメントを紹介する。(※読みやすいようにコメントを一部編集・修正しております)
同じ“入内”でも…父・兼家と道長の違い
――娘・彰子の入内について
非常に複雑な心境ではありますよね。でも「お前はずっとキレイなところにいる」と言われたのが、結局「自分の周りのものは汚さずに苦労することなく今の地位にきた」というようなことをわりと言われていて、お姉ちゃん(詮子)に言われるところが結構効いたところもあるんじゃないですかね。もちろん、うすうす感づいているところではあったかもしれないけど……。
ただ一個、自分を正当化するということで言うと、おやじ(兼家)がやっていたことの意味合いとは違うということは、あったりもするかもしれないですよね。
兼家さんがやっていたような、入内させていくような、そこの目的と自分がこれからする入内というのは、世のためであって自分の家とかそういったことではない。まひろとの約束を果たす。もっと大きな話にはなっていますけど、でもやっぱりあの約束と世の中をよくしていくという、我のためにやっているわけじゃないということが、一個正当化させる理由として。
「世の中をよくするため」道長の心境はずっと変わらない
だからさっきのシーンでも、入内をした女子に幸せはないということは、本当に今もそう思っているし、同じ思いでいるけれども、自分が左大臣として、帝を支えていくものとしてやらなくてはいけないこと。で、やっぱり決め手は悲しいかな、自分が左大臣になってしまって彰子が自分の娘であったということを言っていたけど、そこらへんが悲しいところでもあるなという気がしますけど……。
だから一個思うのは、心境はね、ずっと変わらないんですよ、この人たぶん。ただ世の中をよくするため、帝をお支えしていくためとか。
それが周りから見ると「ひどいことをしているわ」とに思われるのかな、みたいなことは思ったりするかな。でも道長さん自体は非常に正直で、まっすぐと政(まつりごと)に向かっているような気がするんですけどね。