政権の頂点へ。その裏で道長が抱える苦悩

――摂政まで上り詰めて

結局、摂政になるっていうのと左大臣と兼任するっていうのと、プラス三条天皇が自分の身を長引かせようとしているという策略もあったりするから、どっちがいいんだろうなと思いつつ。途中で「道長やめるの?」みたいなこと言われて「みんな不満なのか?」みたいなこと言ったりするけど、道長さん自体どこかで違和感みたいなのはきっとあったと思うんですよね。

だから達成感というか……一応ね、即位式とかがあって「頂点に立った」みたいなことがあるけれども、そこらへんがどういうふうなことなのかね。まひろとも話している「道長様が一番嫌っていることでしょ」みたいなことがあったりするじゃないですか。でもまひろだけは一応わかってくれている、というふうなところなのかなと思っているので。単純にその、達成感っていうのとはまたちょっと違うところなのかな、っていう。

だから摂政と左大臣を辞めるというふうなことを決断して、辞めるわけなんですけれども。そのあとはわりに僕的には道長さんっていうのは、のびのびしているんじゃないかなっていうふうに思っています。もちろん当面の頼通が頼りねぇとか(笑)そういったことはあるけど。気分としてはわりとのびのびした気分になるんじゃないかな、と。

(C)NHK提供
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素直な息子・頼通に寄せる期待と不安

――息子・頼通に期待するところ

素直なところですかね。

「頼通を娘と結婚させてくれ」って三条天皇に言われてそれを言いに行ったら「嫌だ」って言われて。そういうピュアさみたいなものは買っているんじゃないかなっていうふうに思います。

ただピュアが故に策略とかそういう部分、政策とかそういうことにおいては摂政にしたはいいが頼りな気なところが結構あるんじゃないかな、という気がします。