恋愛をするとき、趣味が同じかどうかを重視する人は多いでしょう。共通の趣味がない人とは、結婚してもうまく行かないと考えてしまいがちです。しかし実際は、趣味や見た目よりも大切な“条件”があるそうで……。本記事では、ハーバード大学とグーグルで行動科学を研究したローガン・ウリー氏の著書『史上最も恋愛が難しい時代に 理想のパートナーと出会う方法』(河出書房新社)より一部を抜粋・再編集し、長続きしやすい相手の特徴について解説します。
生涯の伴侶に「共通の趣味」は必要ない…“いつまでも仲良しなカップル”の意外な特徴【ハーバード・Googleの行動科学研究者が解説】
自分の欲求すべてを、パートナーへ期待しない
《ヒント》別の重要な他者
互いに異なる趣味をうまく調整するテクニックの一つとして、人間関係学者のイーライ・フィンケルが考案した別の重要な他者(Other Significant Other)という考えがあります。
現代のカップルは、恋愛相手が自分の欲求すべてを満たしてくれると考えがちです。一人の相手がたくさんの帽子、実際にはほぼすべての帽子をかぶることを期待するのです。しかしそれらの帽子は、結婚前には社会的なネットワークの中で分散していたものです。
パートナーがすべてのニーズを満たしてくれることを期待すると、二人の関係に大きなプレッシャーが生まれます。そこで別の重要な他者という概念がそのプレッシャーを和らげるのに役立つでしょう。
このように考えてみてください。一人の人の頭の上に何十個もの帽子を積もうとすると、その山は(そしておそらくその人も)倒れてしまうでしょう。代わりにスポーツ好きのいとこに野球帽を渡し、タイムリーヒットについて話したいときはそのいとこに電話するようにしましょう。カントリー音楽が好きな友人にはカウボーイハットを渡し、ツーステップダンスのパートナーが必要なときは、その友人と約束すればいいのです。
社会心理学者のエレイン・チャンとウェンディ・ガードナー、ジェイソン・アンダーソンの研究がこの考えを裏付けます。その研究によると、感情的な欲求を満たしてくれる人が、一人や二人でなく複数人いると、全体的な幸福度が高まるそうです。たとえば、怒っているときにはルームメイトに相談し、悲しいときは妹に頼る、といったふうに。
誰かと付き合っているときに別の重要な他者をあなたの人生に取り入れることもできます。まずは、あなたがパートナーに期待するけれど、相手にその気がない事柄を考えてみてください。たとえば、少人数での集まりを好むパートナーを、にぎやかなパーティーに誘っていませんか? あるいは、アートに興味のない相手が、美術館・博物館めぐりに誘ってくれることを期待していませんか?
趣味が合わないからといって、相性が悪いというわけではないことを覚えておいてください。パートナーに向いていない役割については、代わりの友人や家族のメンバーを探しましょう。そうするとあなたのニーズが満たされるので、結局はあなたが幸せになれます。また、パートナーは自分のスキルや得意な役割に集中できるので、パートナーの幸せにもつながります。