「お金が貯まったら」「あと5キロ痩せたら」と、恋愛を先延ばしにしていませんか? このような思考は、人生のおける大事なチャンスを逃してしまっているかもしれません。本記事では、ハーバード大学とグーグルで行動科学を研究したローガン・ウリー氏の著書『史上最も恋愛が難しい時代に 理想のパートナーと出会う方法』(河出書房新社)より一部を抜粋・再編集し、「尻込み思考」を改善する方法について解説します。
身長180cm超え、大企業の弁護士を10年務めたが…サンフランシスコのユダヤ人恋愛市場で超ハイスペックの35歳男性が「交際経験ゼロ」のまさかの理由【ハーバード・Googleの行動科学研究者が解説】
学ぶチャンスを逃している
機会費用の一つ目は、学ぶ機会を逸していることです。さまざまな人と付き合ってみなければ、自分の好みがわかりません。デートの大半は繰り返しなので、時間をかけて学びながら少しずつ変えていくものです。とくに、パートナーに対する好みや価値観は間違っている可能性が高いものです。何かを欲して、試してみてようやく、それを望んでいないことに気づく。学んで、前に進むのです。
たとえば、マダガスカルをヒッチハイクで旅したことがあり、自分でズボンを縫う、自由奔放で浮世離れしたシルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマーのようなミステリアスな人物に惹かれるかもしれません。
数ヶ月ほど付き合った結果、神秘的な雰囲気に最初は惹かれたけれど、本当は温かくて愛情にあふれた(かっこいいズボンを持っている)パートナーを求めていることに気づくかもしれません。付き合ってみなければ、どういう人物と長い時間をともに過ごしたいか気づけないのです。
私のクライアントのジンを例に見てみましょう。彼女は31歳で、初めての恋愛に挑んでいます。彼女は子どもの頃から引っ越しが多く、長く付き合う友人グループはおろか、女友達一人もできませんでした。勤勉で、ひっこみじあんな大学生活を送りました。新しい友達はできましたが、大学生の恋愛や求愛活動にはとうていなじめませんでした。
「どうアプローチすればいいかわからなかった」とジンは打ち明けました。「そんなの一度も習ったことがないもの」
大学卒業後、ジンは広告代理店にインターンとして入り、トップのコピーライターにまで上り詰めました。彼女はあこがれの自分――都会的でおもしろく情熱的――へと成長しましたが、恋人はいませんでした。あまりにも気後れしすぎて、挑戦するのを先延ばしにしていたのです。
いま、ジンは自分の経験不足がパートナー探しを難しくしていることを実感しています。「私は実験し損ねたのね。自分の好みのタイプがわからない。その情報が不足しているから、パートナーを見つけるのがほかの人よりずっと難しいみたい」
ローガン・ウリー
恋愛コーチ兼マッチングアプリ研究ディレクター