「30社面接に行ってみたけど、すべて落とされてしまった……。定年退職を目前に内定がもらえないなんてこたえるな。結局、このまま再雇用制度を使って今の職場でやっていくのが一番、自分のスキルを活かせるんじゃ……?」ということで今の職場にとどまることになったオダショウタさん(50歳、既婚者)。だがその後「社内資料の完全デジタル化」という全くの新しい仕事が若手ではなく、自分たちシニア社員に降ってきて……。以下事例を詳しく見ていきましょう。
「えっ、年金って減るの?」月収41万円・59歳のサラリーマン「年金月16万円」のはずが…65歳で愕然とする「年金減額」の悲劇
パンチカード事件を機にショウタさんの会社員人生に新たな展開が
主:古い商品の資料に興味を持った企画部から復刻商品を出すという話が持ち上がった! 昭和レトロブームってやつに着目したらしい。パッケージを発売当初のデザインにしたり、昔の味をそのまま再現したりした商品を限定発売するという企画だ。
当時を知っている世代には懐かしく、知らない世代には新鮮に感じるということで昨今盛り上がりを見せているそうだ。昭和に発売された往年の人気商品を改めて再評価する企画にしようと盛り上がって、なんと俺はそのメインメンバーに選ばれることになった。
若手の多い企画部からすればパンチカードを読む俺から、昭和の雰囲気をひしひしと感じたのだろう。久しぶりにへとへとになるまでかけずり回り、調整を重ねた。「おいおい、こんなに働くなんて聞いてないぞ…」企画会議を重ね念入りに準備をした結果、うちが昭和から販売しているクッキー缶の初期デザイン復刻企画は大成功!
ワ:ショウタさんやったね! クッキー缶ワイも食べたい!
主:社内で評価されるのももちろん嬉しいが、それ以上にお客さんからの反応に驚かされた。往年のお客さんからは「懐かしい、お金もちの友だちの家で食べるのが楽しみだった」「お客様用に買ってあるのを勝手に食べて親からこっぴどく怒られた思い出が」という声。若いお客さんからは「映える」「フィルムカメラのフィルターで撮るとエモい」などの声が続々届き、大反響だった。
ああ……そうだったな、俺、昔はこういうお客さんの声に励まされて残業も休日出勤も頑張れたんだった! 役職を離れ、社内での立場が変わるということに不安を感じていたけど、俺は本来こういう現場仕事の方が向いていたのかもしれない。管理職に就いてからは部下のマネージメントをしたり、指示出しをしたりが主だったがな。
一度、いろんな仕事を経験して、本当に自分に向いてるものが見えてくるっていうのもあるのかもしれないな。俺はこれからもお客さんの声にこたえるために頑張っていけそうだ!
ワ:ショウタさん、なんだか若返ったみたいだね~!
若い頃に身に着けたスキルが思わぬ形でショウタさんの背中を押してくれましたね。自分が本当にやりたい仕事に気づけたことでショウタさんの人生は大きく動き始めました。
ワ:これからも応援してるよ!