物件を決めたあと、悩みがちな家具の位置。なるべく快適な空間を作りたくても、都心の住宅ではスペースが広くなく、困っている人も多いのではないでしょうか。こうした「狭くて使い勝手の悪いLDK」の解決策について、『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より、一級建築士で模様替えアドバイザーのしかまのりこ氏が伝授します。
テーブルとソファの理想の高さは、「身長×1/6」で計算できる
このダイニングソファとダイニングテーブルですが、必ずしもセットで購入する必要はありません。しかし、大切なことは、ダイニングテーブルの高さとダイニングソファの座面の高さの関係を確認することです。
ダイニングソファの理想的な座面の高さは、身長×1/4で計算できます。そして、ダイニングテーブルの天板の高さと、ダイニングソファの座面の高さの差を、差尺といいますが、この差尺を求める計算式は、身長×1/6で表されます。この差尺にダイニングソファの座面の高さを加えたものが、理想的なダイニングテーブル天板の高さになります。
つまり身長165センチの人の場合、ダイニングソファは座面の高さが41センチ前後でダイニングテーブルの高さが68センチ前後のものを選ぶことが理想的な目安になります。
また家族で身長差がある場合は、背の低い人(子供を除く)に合わせる方が上手くいきます。なぜなら、食事の際にはどんぶりなどの背の高い食器を使うことも多く、テーブルが高いよりも低い方が、食事がしやすいからです。
そのほか、座面が柔らかいダイニングソファを選ぶと、座ったときに沈み込みが大きくなります。食事時の姿勢が不安定にならないように、沈み込みの少ない硬いものをお勧めいたします。
また成長が著しいお子様がいる場合は、キッズチェアなど、高さの変えられる椅子を置き、身長の変化に応じて、適宜椅子の高さを変えてあげましょう。
家具の数も減ったので、リビング・ダイニングが動きやすくなり、ストレスフリーな空間になりましたね。狭い部屋では、「引き算インテリア」で、必要最小限の家具にすることが大切です。
しかま のりこ
COLLINO一級建築士事務所
一級建築士/模様替えアドバイザー