物件を決めたあと、悩みがちな家具の位置。なるべく快適な空間を作りたくても、都心の住宅ではスペースが広くなく、困っている人も多いのではないでしょうか。こうした「狭くて使い勝手の悪いLDK」の解決策について、『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より、一級建築士で模様替えアドバイザーのしかまのりこ氏が伝授します。
狭くて使い勝手の悪いLDKは「引き算インテリア」で解決
多くのご家庭では、リビングにはソファセットが、ダイニングにはダイニングセットが置かれています。
20畳以上あるような広いLDKならば、それでも問題ないかもしれません。しかし、都心の狭小住宅によくあるような、10畳程度のLDKの場合、実際に家具が置けるスペースは、動線を除いた狭い空間となってしまいます。
ここにリビングセットとダイニングセットの両方を詰め込んでしまうために、狭くて使い勝手が悪いLDKが誕生してしまうのです。
それでは、広くはないリビング・ダイニングの場合、どのような家具を選べば、快適な部屋になるのでしょうか?
「リビング・ダイニング」の使い方は多様化している
本来、リビングの役割はソファやテレビを置いてくつろぐことです。またダイニングの役割は料理をおいしく楽しくいただくことです。しかし、最近ではリビングで子供が勉強したり、ダイニングテーブルでお母さんが仕事をしたりと、リビング・ダイニングの使い方は多様化しています。
そのため、「ダイニング=お食事をするダイニングテーブル」「リビング=くつろぐソファ」と決めつけるのではなく、リビングやダイニングではどのように過ごしたいかを考え、その使用目的に合った家具を置くことが大切になります。
そして、狭い部屋では、「引き算インテリア」を行ないましょう。引き算インテリアとは、機能が重複する家具を処分し、最小限に整えることです。
例えば、ダイニングには、ダイニングテーブルとチェア、リビングにもリビングテーブルとソファをそれぞれ置かないで、1台2役の機能を持つ「ダイニングソファセット」を置くなどの方法があります。必要最小限の家具にすることで、狭い部屋を広く、動きやすくすることができます。
狭いリビング・ダイニングを動きやすく広く見せるための「引き算インテリア」について、解決例で、詳しく見ていきましょう。