物件を決めたあと、悩みがちな家具の位置。なるべく快適な空間を作りたくても、都心の住宅ではスペースが広くなく、困っている人も多いのではないでしょうか。こうした「狭くて使い勝手の悪いLDK」の解決策について、『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)より、一級建築士で模様替えアドバイザーのしかまのりこ氏が伝授します。
【事例】都心マンション住人「LDKが動きにくく、くつろげない」
[図表1]の部屋は都心マンションのLDKです。「ソファとダイニングテーブルを置いていますが、動きにくく、くつろぐことができません」、というお悩みでした。
間取り図に記載されているリビング・ダイニングの広さは約12畳です。ここで、動線の位置を確認し、さらに部屋をリビング空間・ダイニング空間と空間分けをしてみました。
そうすると、[図表2]のように矢印で示した動線スペースは6畳ほどあることが分かり、その動線などを除いた、実際に家具が置ける広さは、ダイニング2畳とリビング4畳のわずか6畳程度になることが分かりました。
この6畳ほどのスペースに、ダイニングテーブル、ダイニングチェア、ソファ、リビングテーブルと、多くの家具を置いたため、狭く動きづらい部屋になってしまったのです。
「引き算インテリア」でテーブルを1つに…食事だけでなく、作業も広々
そこでリビング・ダイニングで「引き算インテリア」をしてみました[図表3]。75センチ角のダイニングテーブルですが、食事をするにも、仕事などの作業をするにも小さすぎるため、幅120センチ×奥行80センチのダイニングテーブルに変更しました。
そしてリビングテーブルは、その機能を新しいダイニングテーブルで兼用させるため、「引き算インテリア」で処分いたしました。またソファは、幅140センチと、夫婦2人でくつろぐには小さいサイズでしたので処分しました。そして代わりに、コの字型のダイニングソファを置きました。
ダイニングテーブルも大きいため、食事だけでなく、勉強や仕事といった作業も楽にできます。またダイニングソファも、幅220センチと広くなり、ゆったりとくつろいで座ることができるようになりました。