日本海を望む「富山県」「石川県」には、海辺にも山奥にも、他ではなかなか出会えない特別な「秘湯」があるそう。温泉博士であり弁護士である小林裕彦氏の著書『温泉博士×弁護士が厳選、とっておきの源泉かけ流し325湯』(合同フォレスト)より、詳しく見ていきましょう。
富山県にある「源泉かけ流し」の秘湯3選
1.名剣温泉
黒部峡谷トロッコ電車終点の欅平駅から、15分ほど歩きます。よくこんな辺ぴな所に、これほど立派な建物を造られたなという感じの旅館です。
肌に優しいマイルドな単純硫黄泉です。無色透明で微かに硫黄臭がします。
季節をじかに感じることができる、風情のある露天風呂からは、黒部峡谷を見下ろすことができて実に爽快です。この露天風呂は、自然と一体になった感が強いです。
内湯もなかなか味があります。
大きな岩がせり出していますが、岩のある所にしか建物が建てられなかったのだろうと思います。
山の中の秘湯ですが、部屋も料理も洗練されています。穴場のしゃれた秘湯です。
2.祖母谷温泉
黒部峡谷トロッコ電車の終点、欅平駅から歩いて1時間くらいかかります。徒歩でしか行けません。山の中の本物の秘湯です。
登り道は、適度なハイキング感覚です。途中、「人食い岩」という岩がせり出した道を通ります。ヘルメットが必須です。日によって、結構石が落ちてきます。長いトンネルを抜けて旅館が見えると、ホッとします。山小屋風の建物です。
硫黄泉です。シンプルな露天風呂がいいでしょう。開放感があります。
黒部トロッコ電車の沿線は、黒薙温泉、鐘釣温泉、欅平の猿飛山荘、名剣温泉など、源泉かけ流しの良い温泉がたくさんあります。
3.氷見温泉郷 くつろぎの宿 うみあかり
ナトリウムー塩化物泉です。
別館の岩風呂の、緑白色の源泉と湯治場的な雰囲気がいいでしょう。浸かると、キシキシした肌触りで金属臭がします。濃厚で重たい感じの源泉です。全身に温泉の成分が浸透してくる感じがします。成分が濃いので、しばらく浸かっていると、どっと疲れが出る温泉です。
本館の露天風呂は、富山湾を一望できます。かすみがかかっていなければ、立山連峰も見えます。
食事も良く、富山県の海の幸は日本一だと実感します。
「キトキト(新鮮)している」という表現が、ぴったり当てはまります。