日本海を望む「富山県」「石川県」には、海辺にも山奥にも、他ではなかなか出会えない特別な「秘湯」があるそう。温泉博士であり弁護士である小林裕彦氏の著書『温泉博士×弁護士が厳選、とっておきの源泉かけ流し325湯』(合同フォレスト)より、詳しく見ていきましょう。
石川県が誇る「源泉かけ流し温泉」3選
1.千里浜なぎさ温泉 里湯ちりはま
能登半島の温泉で、ナトリウムー塩化物泉です。温泉分析書を見ると、それぞれの温泉成分の濃度が濃い泉質です。
露天風呂が絵になります。浴槽の形と仕切りの壁のバランスが、どこか印象に残ります。緑色がかった色が、目にも鮮やかです。少し生臭いような金属臭がします。塩分濃度が高く、浸かると体にずっしりきます。海の近くの温泉らしい泉質です。熱めの源泉が加水をしないで、ちゃんとかけ流されています。
能登半島はこれといった源泉かけ流しが少ない感じがしますが、その中でもここは大変存在感があります。
最寄りは、JR七尾線の宝逹駅です。
2.湯涌板ヶ谷温泉 銭がめ
湯涌温泉は、金沢の奥座敷という感じの温泉地です。金沢市内からバスで40分ほどの距離にある、かなり山の中の秘湯です。
銭がめは、ナトリウム・カルシウム–塩化物・硫酸塩泉の立派な源泉かけ流しで、浴槽は男女一つずつです。浸かるととろみのある、まとわりつくような泉質です。浴槽のヒノキの感触も素晴らしい。
もともとは料理屋さんでしたが、現在は宿泊も受け付けているようです。
銭がめは、銭にがめついということではなく(^^)、屋号の銭を入れるかめから名前を付けたそうです。
3.中宮温泉 にしやま旅館
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉です。
大変アクセス困難な秘湯です。旅館が3軒あり、どこも源泉かけ流しです。共同湯の露天風呂もあります。豪雪地帯で、1年の半分くらいしか営業しないそうです。
淡い緑白色です。「胃腸の名湯」といわれていて、確かに飲泉がうまい。塩味の利いたスープのようです。これほどうまい温泉は珍しいです。朝食には源泉で炊いたおかゆが出ますが、これがまた絶品です。
この手のうまい源泉を飲泉すると、悪酔いしにくい気がします。
浸かると、キシキシした感じがします。
湯上がりは、しっとりつるつるの肌になります。
小林 裕彦
小林裕彦法律事務所
代表弁護士