全国トップクラスの温泉数を誇る「長野県」。特に「野沢温泉」は、独特の泉質や源泉かけ流しの多さにおいて、温泉地の総合力としても全国トップクラスであると、温泉博士であり弁護士でもある小林裕彦氏はいいます。小林氏の著書『温泉博士×弁護士が厳選、とっておきの源泉かけ流し325湯』(合同フォレスト)より、野沢温泉をはじめとした、長野県にある魅力あふれる温泉地で出会える「源泉かけ流し」の秘湯を紹介します。
長野県で楽しめる源泉かけ流し温泉7湯
1.野沢温泉 清風館
13の個性あふれる共同湯と、それぞれ独特の泉質、源泉かけ流しの多さを考えると、やはり野沢温泉は温泉地の総合力としては、別府温泉、草津温泉、鳴子温泉と並んで日本のトップクラスだと思います。
清風館は、野沢温泉の老舗旅館です。アルカリ性硫黄泉がかけ流されています。レトロな浴室と浴槽、緑色がかった源泉がいいでしょう。これほど湯治場の原風景が残っている旅館は、めったにありません。
浸かると、ほどよい硫黄臭と油臭に癒やされます。
共同湯の「麻釜の湯」の近くにあり、「河原湯」や「大湯」にも近いです。
料理が実にうまい。手作り感満載です。
2.渋温泉 かめや旅館
渋温泉は、9つの共同湯がある温泉地です。かめや旅館は、七番湯の「七操の湯」と六番湯の「目洗いの湯」の間にあります。
ナトリウム・カルシウム-塩化物泉です。
内湯のタイル貼りのレトロな感じがいいでしょう。真ん中で熱めの湯とぬる湯に分けられています。無色透明の肌に優しい泉質です。微かな硫黄臭と石こう臭がします。
他の浴槽には、地獄谷温泉から引いた鉄分を含んだ少し赤っぽい源泉を使っているものもあります。これも体がよく温まる良い泉質です。旅館はこぢんまりしていますが、個性的かつさまざまな浴槽があります。
渋温泉は、温泉街をそぞろ歩きできる、数少ない古き良き温泉地です。
3.鹿教湯温泉 ふぢや旅館
単純泉です。無色透明、無臭ですが、微かなとろみと温泉臭がして、肌に優しいやわらかい泉質です。風呂上がりの肌が、しっとりとします。良質の単純泉は、飽きることなく長湯できるので、大変癒やされます。
鹿教湯温泉には何軒か、源泉かけ流しの温泉があります。
このふぢや旅館の特徴は、大浴場が混浴であることです。古き良き湯治場の混浴文化が残っている温泉地です。
少し見えにくいですが、浴槽の源泉の注入口はシカです。
貸し切り露天風呂も大変風情があって絵になります。ちなみに、女性用の大浴場もあります。