ちょっとしたことを確認したいときに、「つかぬことをお伺いしますが…」という日本語を使っていませんか? 実は「つかぬこと」を「つまらないこと」という意味で使うのは、日本語として正しくありません。今回は、そんな「ちょっと注意したい日本語」を正しい事例と共に解説します。
「つかぬことをお伺いしますが」は「つまらないことを聞きますが」という意味ではない…!正しい使い方は?【間違いやすい日本語】
「〇〇的」という便利な言葉に逃げない
私的には…×
私といたしましては…〇
「的」という言葉は、もともと中国語です。日本語では、よく「の」を表すのに使われています。たとえば、彼は「村的財産」と書けば「村の財産」という意味になります。ただ「村的」と書くと、「村の」という以外に、愛情とちょっと馬鹿にした皮肉を込めて、「田舎者」という意味になったりもします。
日本語の「私的(わたくしてき)には」という言葉は、この「村的」と同じように自分を軽蔑することで謙虚さを表すニュアンスがあります。
「私的には」は、自分の意見や考えを述べるときによく使われる表現です。しかし、一方で、自分の意見や考えをはっきりと述べたくないときにも使われます。
たとえば、「この服は、私的には似合っていないと思う」と言うと、「私には似合っていないように見えるけど、あなたはどう思う?」という意味に解釈できます。
また、「合法的」「徹底的」「政治的」「悲劇的」「科学的」など、「〇〇的」という言葉がよく使われますが、これは「そのような性質をもっている」「それらしい」「その方面に関わる」という意味で、直接的な表現を避けるための言い方です。
つまり、「私的には」は、謙虚さもありますが、責任を逃れる意味にもなります。自分の意見を相手にしっかり伝えたいときは、是非、「私といたしましては」と言うようにしてください。