ちょっとしたことを確認したいときに、「つかぬことをお伺いしますが…」という日本語を使っていませんか? 実は「つかぬこと」を「つまらないこと」という意味で使うのは、日本語として正しくありません。今回は、そんな「ちょっと注意したい日本語」を正しい事例と共に解説します。
「つかぬことをお伺いしますが」は「つまらないことを聞きますが」という意味ではない…!正しい使い方は?【間違いやすい日本語】
別の仕事で忙しく、相手に時間を割けないとき
取り込んでおりまして…×
大変申し訳ありません…〇
「取り込んでいる」という言葉は、家の中で事件やもめごと、冠婚葬祭などがあって慌ただしくしているという意味で、江戸時代から使われています。
「お取り込み中、申し訳ありません」などは、ビジネスシーンではよく使われる言葉かもしれません。ただ、同じく江戸時代には「取り込む」は、「物事や人を丸め込んだり、欺(だま)したり、ごまかしたりして自分のものにする」ことを指す言葉でもありました。
今でも、大阪など関西では、「うまいこと取り込んでん」と言うと、「巧みに人を欺して物やお金をかすめ取った」という意味になります。こういう、マイナスの意味も含む言葉を、人に対して使ってしまうと、相手によっては誤解を招きかねません。
したがって、別の用事があるなどで慌ただしく、相手を待たせて嫌な思いをさせてしまった場合には、素直に「大変申し訳ございませんでした」と謝罪をして、理由なども言わないのが礼儀です。
理由を言わないのは、責任を他人や別の仕事に転嫁しているような印象を与えてしまい、自分の準備不足を棚上げしているように受け取られてしまう可能性があるからです。さらに、相手に迷惑をかけたことを軽視しているようにも感じられてしまいます。