核家族化が進んでいるものの、いまだに「長男なんだから」「長男の嫁なんだから」という昔話は根強く残っているもの。人生を左右されるケースも少なくありません。みていきましょう。
「愛する夫の死」よりも「義父の介護」…長男の嫁(52)の心を崩壊させた、義姉たちの鬼畜なひと言 (※写真はイメージです/PIXTA)

長男なんだから、長男の嫁なんだから…面倒を押し付けるふたりの義姉

――夫は単身赴任でした

 

3年前に同い年の夫を亡くしたという、52歳の女性。単身赴任先で倒れ、急逝したことが昨日のことのようと話します。

 

独立行政法人労働政策研究・研修機構『ユースフル労働統計2022』によると、年齢別に単身赴任者の割合をみていくと、最多は「50代」で5.2%。「60代以上」3.7%、「40代」2.9%、「30代」1.9%となっています。

 

*単身赴任割合=配偶者があって、従業上の地位が雇用者である有業単身世帯数を雇用者数で除して得た値。共働きで、夫婦以外に世帯構成員(子供等)のいない世帯では、夫(または妻)が単身赴任者となると、妻(または夫)も単身世帯となり、単身赴任者として二重計上される点に注意が必要

 

ただ、当時は突然の不幸を悲しむ暇もなかったといいます。その原因が義父の介護。義父は10年ほど前から認知症を患い、同居する女性の家族で介護をしてきました。ただ元々義父とは同居しておらず、認知症と診断されたのを機に女性家族が転居してきたという流れ。夫は3人きょうだいの末っ子長男。上にふたりの姉がいます。義父が認知症と診断されたときに、義姉は

 

――わたしたち(=義姉)は嫁いだ身。だから父(=義父)の面倒は長男であるあなた(=女性の夫)がやるべき

 

と主張。夫の実家は同じ町のなかにあり、たとえ同居することになっても、すでに高校生になっていた子どもたちは転校しなくてもいい……確かに義父の面倒をみるのに最も都合がいいのは、女性家族だったかもしれません。しかし「長男」というキーワードで、介護を押し付けられた感は拭うことができなかったと女性。

 

――義姉は何かにつけて、面倒なことは「長男だから」と押し付けてくることの多い。当然「長男の嫁なんだから」と言われることもしばしば