好きな人としか付き合わない……そんな生き方ができれば最高ですが、ほとんどの人は“嫌いな人・苦手な人”とも付き合っていかなければなりません。そこで、そのような相手と接する際、落ち込みやイラ立ちといった負の感情から自分自身を守る方法をみていきましょう。『「嫌いな人」のトリセツ 人付き合いがラクになる37の習慣』(総合法令出版)の著者で心理コンサルタントの林恭弘氏が解説します。
「君のため」と言いつつ完全に八つ当たり…周りにいる“イヤな奴”から身を守る「賢い返答」【心理コンサルタントが解説】
自分本位の言葉で責められたときの対処法
「おい、いつまでひとつの仕事にかかってるんだよ! ダラダラ仕事をするなよ」「このままの成績では、来期の君の居場所がここにはなくなるかもしれないと心配しているんだよ」など、明らかにイライラの感情発散や、「君のため」と言いながらも自己保身から発せられる言葉。
このような「攻撃」や「自己保身」から出てくる言葉をまともに受けると誰でも感傷的になります。
しかしここで腹を立てたり、落ち込んだりしてしまうと、「やっぱり自分はダメなんだ」という、「私はOKではない」というスタンスに陥ってしまうか、「あの人は自分本位なズルい人だ」という「相手はOKではない」スタンスを固めてしまいます。
これら「OKではない」というスタンスは、落ち込みとイラ立ちという、いずれにしてもあなたを苦しめる結果になります。
「実はテクニカルな部分で時間を要しましたので、予定より遅れて申し訳ありません。最短で仕上げるように努力します」というように、詫びながらもあなたに言い分があるなら自己主張することです。
あるいは、「ご心配いただきありがとうございます。来期の成果を達成できるように精一杯努めます。そこでなのですが、成果を上げられるようなトレーニングを受けさせていただけないでしょうか」と相手に感謝し、自分の非を認めながらも、自己成長のための援助を正当に依頼してみることです。
これらの言動には、あなたと相手に対して「OKである」あるいは、「OKになるために」というスタンスが背景にありますから、落ち込みやイラ立ちの感情からあなた自身を守ることができます。
それでも、「自分本位の言葉」をぶつけてくる人は後を絶ちません。
「私はOKである」というスタンスを保ち、言動することによって、相手に謝るにしても、感謝するにしても、また提案や自己主張をするにしても、あなたも相手も傷つけないコミュニケーションが可能になります。