イライラするのはその人が「理解できない」から

「イライラする」という感情の源は、「ペースが合わない」「価値観・常識が違う」「成熟度が違う」などです。あなたの日常生活において、イライラするときは、たいていこれらの要素を含んでいるはずです。

例えば、朝の満員電車に乗って、何とか座れたと安心し、目を閉じてゆっくりと今日の仕事の段取りを考えようとしているとします。そのとき隣の席のお兄ちゃんが、ガンガンのロックをヘッドホンから垂れ流していると、あなたはとてもイライラするはずです。それは、あなたのワルツのようなリズムと、お兄ちゃんのガンガンロックの「ペースが合わない」からです。

「別に成功とか、成長なんて仕事に求めていませんよ。やるべきことはやりますけど、それは食べていくための手段でしょう」という、後輩のやけに冷めた顔を見ていて、あなたは許せない気持ちになるかもしれません。それは、「仕事こそが人間成長の場である」という、あなたの価値観ゆえかもしれません。思わず言いたくなるセリフは、「それで働いていて、何がおもしろいの? 理解できない」

待ち合わせをするたびに、30分以上遅れてくる友達に対してイライラするのは、「友達といえども、約束は必ず守るべき」というあなたの常識からすると、理解できないからでしょう。

あなたの部下として配属された新入社員は、挨拶をさせても蚊の鳴くような声で、簡単な業務を教えても呑み込みがやたらに遅い。少人数で多岐にわたる業務をこなさなければならないというのに、「はずれクジを掴まされた」「こいつはなぜ、こんなにトロいんだ」とイラつくばかりです。

息子はもう小学生高学年なのに、忘れものばかりして先生からはいつも指導される。宿題が出ていたことも完全に忘れていることがある。自分の意見がはっきりと言えないでウジウジとしている。

「わが子ながら、どうしてこんなんだろう」と、ついイラついて責め言葉が出てきてしまう。

こんな時には、「信じられない」「理解できない」という言葉が出てきてしまうものです。

出所:『「嫌いな人」のトリセツ 人付き合いがラクになる37の習慣』(総合法令出版)より抜粋
なぜ、イラつくのか 出所:『「嫌いな人」のトリセツ 人付き合いがラクになる37の習慣』(総合法令出版)より抜粋